身も心も温まる。長野県で愛されるご当地みそ汁 「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」

こんにちは! 踊るライター・マキマキノです。

ベリーダンス歴18年、福岡でベリーダンスコミュニティ「SILICA・シリカ(http://silicadance.com/)」を主宰し、ダンスの楽しさを伝えながらライターをしています。

みなさんは、長野県でよく食べられている「「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」を知っていますか?

私が初めて食べたのは夫の実家でした。長野県出身のお義母さんがふるまってくれたみそ汁のそのおいしさに感動し、これはぜひ全国の人に食べてほしいと思い紹介することにしました!

今回は、結婚5年目にして初めてお墓参りに行った時に巡った長野旅をお伝えしながら、海なし県の長野県で愛される「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」をご紹介したいと思います。

雪深い長野で重宝される加工食品


本州の中央に縦に長く位置する長野県は、隣接県の数が日本一! 8つの県と隣接しています。「海なし県」で知られる長野県は、レタス、えのき、しめじなどの農作物は日本一の生産量を誇っています(※ 2017年農林水産省「特用林産物生産調査」、「作物統計」より)。

また、みそは県民一人あたりの消費量が日本一に輝いたこともあります(※ 2015年総務省統計局「小売物価統計調査」を利用し消費量を算出)。「信州みそ」は有名ですよね。

そして、総務省「家計調査」によると長野市は、魚介の缶詰の年間支出額が全国第3位なのです!(※ 平成27年〜29年の平均)

スーパーには魚介の缶詰がずらりと並んでいるそう。ここ数年、サバ缶が人気急上昇中ですが、長野県民は以前からサバ缶を愛していたのでしょう。

雪深い長野県は、特に北の山間部では家の2階から出入りするほどの豪雪地帯もあり、食料品の買い出しに行くのも大変な土地柄。保存がきく加工食品は、冬の重要な栄養源であり必需品なのかもしれません。「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」は、主に長野県北部で食べられているようです。

「姫竹」というかわいらしいタケノコ

信越から東方地方で「根曲がり竹」とも呼ばれる細いタケノコは、黒姫山に近い北信地方では「姫竹」と呼ばれています。

タケノコというと大きくニョキッと豪快に生えているものという印象ですが、姫竹は「チシマザサ」という笹の若芽のため、見た目は細くかわいらしいのが特徴。

義母によると、5月から6月頃の旬の時期になると、「タケノコ採りに行くよー!」というおばあちゃんの号令の元、近所の山の竹やぶにたくさん生えている姫竹を家族で採りに行き、その場でみそ汁を作って食べていたそうです。

私が初めて食べた「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」は、長野出身のお義母さんの実家から姫竹が届いたということで、ふるまってくれたものでした。山のものはすぐに処理しないと風味が落ちるため、夫も小さい頃、姫竹が届くと皮をむくのを手伝っていたそうです。

▲姫竹の旬でないときは、タケノコの水煮で代用してもOK

タケノコをみそ汁に入れるのは想像がついたのに対して、「サバの水煮をみそ汁に??」と最初はいぶかしんでいた私でしたが、できあがったみそ汁を一口いただいてみると、そのおいしいことと言ったら!!

骨まで食べられるほどに煮込まれたサバの水煮から出るコクのあるダシがみそに溶けあい、姫竹のシャキシャキとした食感とあいまって、これだけで白飯が何杯も食べられるほどのおいしさでした。

義母の話では、魚卵を入れることもあったそうですが、サバの水煮缶が姫竹に一番合う上に、手頃で体も温まるので、物心ついた頃から食べていたそうです。

「ご当地みそ汁」とも言える「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」のおいしさを知った私は、広い長野県にはまだまだ知らない魅力があるんだろうなぁと思い、改めて長野県に行ってみたくなりました。そして、2017年の夏の終わりに、夫婦でお墓参りがてら長野を巡ることに。その旅行で、長野のおいしいものと、姫竹の再会を味わうことになったのです。

水がおいしい長野はおいしいものの宝庫

旅のはじまりは、長野の中部・八ヶ岳から。八ヶ岳は山梨県と長野県にまたがっていますが、私たちが訪れたのは、長野県諏訪郡富士見町。友人が経営するおとぎ話に出てきそうなかわいらしいログハウス・エンジェルツリー八ケ岳に一泊しました。

友人に連れて行ってもらった近くの沢では、驚くほど清らかで透き通った水が飲み放題! 夏でも冷たくておいしい!!

以前、ミシュランピブグルマンのシェフから「良い水を使うとパンの発酵具合が全然違う」と聞いたことがあります。水がおいしい八ヶ岳は、おいしいパン屋さんがたくさん! パン好きの夫は目をキラキラさせていました。

おいしい水が当たり前のように在る、そんな森の生活に触れた私たち。普段は海辺に住む私たちですが、「森の生活もいいなぁ。まだまだいたい!」と後ろ髪をひかれながら、友人に別れを告げ八ヶ岳を後にしました。

最終目的地である新潟県との県境・野尻湖へ向かう途中、戸隠神社で有名な戸隠に立ち寄りました。戸隠神社奥社までの道のりは往復4キロ。

参拝後はペコペコのお腹を満たすために、戸隠そばをいただきました。岩手のわんこそば、島根の出雲そばとともに「日本三大そば」である戸隠そばの特徴の一つは、その盛りつけ方。

▲戸隠そばの有名店「そばの実」のざるそば

「ぼっち盛り」と呼ばれる独特の盛りつけは、姫竹で編まれた円形のざるに5束または6束を馬蹄形状に盛る形式をいうそうです。姫竹はこんなふうにも活用されているんですね!

そばがおいしい土地は、水がおいしい土地だと聞いたことがあります。戸隠でもまた長野の水のおいしさを実感し、そして「姫竹」の新たな一面を知ったのでした。

長野の人々の身も心も温めてくれるみそ汁

春になると姫竹を送ってくれる野尻湖周辺にある夫の親戚宅に立ち寄り、話を聞いてみると、この地では、姫竹と同様にタラの芽やウドなどの山菜も採って天ぷらにして食べるそうです。

長野の食文化に触れる旅から帰路についた私たちに「昔は土地のものを採って、なんでも作っていたんだよ」という義母。冬が近づくと野沢菜を仕込んだり、みそも自家製で作ったりするなど、冬支度をしていたようです。

自家製みそに地元の山で採れた姫竹、そして、長野県民が愛してやまないサバの水煮缶を合わせたみそ汁は、長野ならではのレシピなのでしょう。

私にとっては、「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」は義母の味。無性に食べたくなると姫竹の旬ではない時期はタケノコの水煮でサッと作り、夫と一緒に食卓を囲みながら、「やっぱりおいしいなぁ」とつい言葉に出してしまうほど、ホッとする味なのでした。

私の心を温めてくれたように、長野では、「サバの水煮缶と姫竹のみそ汁」が、きっと人々の心を温めてくれるのでしょう。

サバの水煮缶と姫竹のみそ汁のレシピはこちら

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