あの米国大統領も食べた!喜界島にある絶品「車えび」を育てる養殖場をたずねて

こんにちは、片岡力也(https://www.instagram.com/rikiya_trip/)(https://www.instagram.com/rikiya_food/)です。

国内外の秘境と旨いものを探し続け9年。2018年4月、友人にすばらしい秘境があると教えてもらい、「喜界島」という鹿児島県大島郡に属する島へ行ってきました。

そこで私は、絶品の「車えび」と出会うことになったのです。

「日本で最も美しい村」に承認された島

喜界島は、鹿児島本土から南に約380km離れた距離にあり、独自の文化や歴史のある小さな島です。

奄美大島か鹿児島からフェリー、もしくは飛行機で行くことができます。2009年にはNPO法人「日本で最も美しい村連合」が主催する「日本で最も美しい村」にも承認されました。

スギラビーチやハワイビーチなどエメラルドに輝く海や、海までひたすらまっすぐ続くさとうきび畑の一本道など、とにかく自然あふれる島で、滞在中はここが日本であることを忘れてしまいます。そんなこの地で、車海老の養殖をおこなう一人の男性をたずねました。

故郷に少しでも貢献したい。喜界島を愛する一人の男性

株式会社峰山建設の3代目として喜界島で生まれた峰山奥恵喜さんは高校、大学と島外で勉学に励み、島外での社会人生活も経験しました。

島を出てまず驚いたのが、「喜界島の認知度がとにかく低い」ということ。

都心では喜界島はもちろん、奄美大島でさえあまり知られていないことに衝撃を受けた峰山さんは、「自分の仕事を通じて喜界島が持つポテンシャルを発信することで自分の故郷を少しでも豊かにしたい」と思い、28歳のときに帰島しました。

喜界島特有の風土を使って何かできないかーー。

そう考えた末、豊富なミネラルを含み喜界島の海があるにも関わらず喜界島では漁業がそこまで盛んでなかったことに着目。そこで目を向けたのが「車えびの養殖業」でした

自然の恵みと企業努力が生み出すどこにも負けない「車えび」

峰山さんが経営する阿丸養殖場( http://iki-kurumaebi.com/user_data/youshokujou.php)は一般的にイメージする養殖場とは少し異なります。

養殖場として独立しているというよりは海と一体化しているようで、まさに太平洋に浮かぶ養殖場。透明度30mと言われる喜界島の美しい海の海水をそのまま使用することができ、癖やエグミの少ない車えびを生産することにできるのです。

さらに峰山さんには、車えびを養殖するにあたって4つのこだわりがあります。
1つ目がエサへのこだわり。車えびはもともと生命力が低いため、養殖する上でエサは非常に大事。そこでエサに電子チャージという特殊な工程を入れることで質の改善を行い、そのエサを与え続けることで病気に強く、健康的で活きの良い車えびが育つように工夫しています。
2つ目が養殖池の徹底管理。水温や塩分濃度はもちろん、溶存酸素量などの検査項目のチェックをおこないます。ウェットスーツにダイビング機材を身に付け、養殖池の中へ。車えびから養殖池の状態確認をし、小まめに掃除をすることで池の徹底管理をおこなっています。

▲リジョイスフリーザー
ほか、出荷後も全国各地で新鮮な車えびを食べることができるように品質維持の徹底や、獲れたての味を楽しんでほしいとの思いから、冷凍する際は「リジョイスフリーザー」という特殊な機器を使用して冷凍販売を手がけるこだわりぶり。
自然の恵みとこうした企業努力が融合することで、東京の築地市場でも常に高い評価を受け、気がつくと某有名ミシュラン三つ星レストランとの取引するほどにまで成長しました。

平成26年の日米首脳会談でオバマ大統領が日本に訪れた際の会食では安倍総理と共に、峰山さんの車えびを楽しんだといいます。

天然の車えびにも勝る!? 養殖がゆえのメリット

しかし「そうは言っても天然の車えびと比べるとどうなの?」という疑問を持つ人もいるでしょう。事実ほぼ全ての食材において、人工的に作られたものが天然の食材を超えることは難しいと言えます。

しかし養殖であるが故のメリットもあります。例えば供給性です。

そもそも天然車えびの専門の漁師は日本にはおらず、安定供給は難しいのが現状。養殖では安定した出荷が可能な上、峰山さんは徹底的な管理によってそれをほぼ一年中継続することを可能としています。

加えて毎日養殖池の中を潜り池の管理をしているので、車えびのサイズも確認することができます。よってサイズも安定しやすく、寿司や刺身、天ぷらなどお客のニーズに応えたえびを出荷することができます。

車えびの天ぷらのレシピはこちら

味はもちろん、格別。これは筆者である私が自信を持って保証します。実際に現地でいただいたのですが、ミネラル豊富な海で育ち、手間暇かけて育った車えびは「今まで食べてきた車えびは何だったのか」と本気で考えてしまうほどのおいしさ。あの甘みと歯ごたえは今でも忘れることができません。

唯一のデメリットは、寿司屋に行っても車えびだけは頼めない体になってしまったことでしょうか。

車えびの供給を増やすことをめざして

味と供給性はもちろんですが、安全性にも強いこだわりを持つ峰山さんは、近年養殖車えびとして全国初のK-GAP認証(かごしまの農林水産省認証制度)を受けました。

常に進化を求める峰山さんに今後の目標を聞くと、「より多くの方々に自身が作る車えびの魅力を知ってもらいたい」と言います。

そのために供給量を増やす必要があるので、現在3つ目の養殖池を作っているうえ、車えびの生育が最も難しいと言われている夏にも供給できるように、日々研究を進めています。

現状に満足せず、常に向上心を持ち、それを行動に移す峰山さん。彼が作る車えびが全国で高い評価を受けているのも納得です。そんな妥協なき想いの詰まった絶品車えびを、ぜひみなさんにも食べていただけたらと思います。

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