「岡山で一番のブランド牡蠣を作りたい」瀬戸内海に浮かぶ北木島の勇和水産・藤井社長に聞く『喜多嬉かき』のおいしい食べ方 | おうちごはんラボ

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「岡山で一番のブランド牡蠣を作りたい」
瀬戸内海に浮かぶ北木島の勇和水産・藤井社長に聞く『喜多嬉かき』のおいしい食べ方

オフィシャルメンバー 旅人料理編集部

岡山県の南西端にあり、瀬戸内海の中心に浮かぶ笠岡諸島。大小34の島々からなり、人が住んでいるのは7島だけ。諸島最大の島である北木島(きたぎしま)でも、わずか800~900名ほどしか住んでいません。

 

本土の笠岡市の伏越港から約15㎞にある北木島は、古来より良質な花こう岩の採掘場として栄えてきました。ただ観光地としては、認知度も低く、観光面では「何もない島」という状態が長く続きました。

 

そんな北木島で「岡山で一番のブランド牡蠣を作る」と、牡蠣生産業に奮闘しているのが「勇和水産」の藤井和平社長です。「勇和水産」という会社名は、ご自身と息子さんの勇人さんの名前から一字ずつとったという思い入れのあるもの。

 

おじい様の代から漁師を生業にしていた藤井家。藤井社長がご両親の生まれ故郷である北木島で本格的に漁師を引き継いだのは、いまから20年前にさかのぼります。その後、藤井社長の独創的なアイデアと「地元、北木島を全国的な知名度に」という熱い思いで会社は急発展。

 

2018年度からは、「喜び多く、嬉しい」という思いから笠岡沖で養殖される牡蠣に「喜多嬉(きたぎ)かき」と名付け、ブランディングを始めました。

 

 

美しい里海で作られる良質で安心・安全な牡蠣

笠岡沖17㎞の場所にある牡蠣の漁場。付近には一級河川などの河口がないため、生活用水の排水で海水が汚れることはありません。過去15年間の厳しい水質検査もパスした透明度の高い海水と豊富なプランクトンがおいしい牡蠣を作るのです。

 

また勇和水産では、定期的に底引き網で海底の清掃作業を行っていて、美しい里海の保全に貢献しています。

 

瀬戸内海のミネラルをたっぷり含んだ「喜多嬉かき」は、近隣の牡蠣の平均値と比べても「食べて先に感じるうまみ」と「あとに感じるうまみ」が高いとか。濃厚でくさみのない、牡蠣本来の味が引き立つ味です。

 

牡蠣といえば、食中毒に当たってしまう不安がつきまとうもの。しかし、勇和生産では「安心・安全」にこだわり、生産工程から徹底した安全管理に取り組んでいるため、これまで食中毒などの健康被害は一切出ていないそうです。

 

 

北木島ならではの「出世牡蠣」を作る

 

北木島は、人気お笑いコンビ、千鳥の大悟さんの生まれ故郷として知られています。この島で生まれ育ち、大出世を果たした大悟さん。その他にも北木島で採石した良質な石は、大阪城の石垣や東京・靖国神社の大鳥居などに使われています。

 

そんなこともあり、藤井社長は北木島を「出世する島」とし、生産される牡蠣も「出世かき」と称しています。

 

漁場で獲れた牡蠣の大きさをセンサーで選別し、60g~80g未満の牡蠣を「ひながき」、80g~100gのLサイズの牡蠣を「喜多嬉かき」、101g以上の牡蠣を「美海(みう)がき」としています。

 

牡蠣も「ひながき」から「喜多嬉かき」、そして「美海がき」へと出世していくのです。藤井社長は大きな牡蠣を作るとともに「安心・安全」な牡蠣を作るよう、前述した美しい漁場の保全に取り組み、将来的には餌の培養も考えています。

 

 

藤井社長の熱い思いが伝わる「勇和水産」

藤井社長の親しみやすいお人柄もあいまって、勇和水産はアットホームな雰囲気に包まれています。岡山県では「岡山ふるさとワーキング・ホリデー」という取り組みを実施していています。若者に田舎暮らしの良さを知ってもらい、将来の移住につなげるとともに地域の活力創出を図るのが目的です。

 

藤井社長はこの取り組みを積極的に活用。首都圏の大学生やベトナムの若者を受け入れていて、取材の時も3人の明るい学生さんたちが楽しく働いていました。

 

それだけではありません。笠岡市漁業組合北木島支所の支所長も務める藤井社長は、牡蠣のオーナー制度や「牡蠣初め」「牡蠣講習」など、さまざまな牡蠣イベントを企画しています。

 

「今後は牡蠣小屋を作って、たくさんの人においしい喜多嬉かきを味わってもらいたいね」

 

そう話す藤井社長の目には、北木島と牡蠣への熱い思いがあふれていて、取材する私も感銘を受けました。

 

 

そのままでも絶品! 牡蠣のアヒージョとチーズフォンデュも

生で食べるもよし、焼いて食べるもよし。牡蠣の食べ方にはいろいろありますが、新鮮な牡蠣は生で食べるのが一番。白ワインによく合います。他にもちょっとひと手間をかけることで別の味わいになります。

 

焼き牡蠣もその一つ。殻付きの牡蠣をそのまま炭火焼きの網の上で焼くだけ。牡蠣の殻が開いたときが食べごろです。

 

うまみ成分をたっぷり含んだ牡蠣は何もつけなくても、塩味と牡蠣のうまみでいくらでも食べられます。だいだいの汁を牡蠣につけて食べると、だいだいの酸味と牡蠣のうまみがよく合い、またちがった味わいが楽しめます。

 

家で殻付きの牡蠣を調理するときは、牡蠣を殻ごと耐熱容器に入れてラップをして、電子レンジで2~3分加熱してみてください。お好みで、加熱時間を長くしてもおいしく食べられますよ。

 

 

今回の取材では、焼き牡蠣の他に、牡蠣のアヒージョとチーズフォンデュの作り方も教えていただきました。牡蠣のうまみを損なうことなく、よりおいしく食べられるアヒージョやチーズフォンデュは家でも簡単にできます。

 

出会った北木島の皆さんは気さくで親切な方ばかり。小さな島ならではの温かみを感じさせてくれ、また訪れたくなる島です。また、喜多嬉かきのおいしさを堪能でき、好物の一つになりました。

 

会社経営だけでなく、文字通り、北木島の将来を担うべく奮闘されている藤井社長と勇和水産の今後に期待です。

 

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