【信州安曇野】移住の決め手は「アスパラガス」。あづみ野小林農園がこだわる安心な野菜づくりとは | おうちごはんラボ

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【信州安曇野】移住の決め手は「アスパラガス」。
あづみ野小林農園がこだわる安心な野菜づくりとは

オフィシャルメンバー 旅人料理編集部

長野県のほぼ中央部に位置し、北アルプスの山麓に広がるのどかな田園のまち「安曇野」。

2011年にはNHK連続テレビ小説「おひさま」の舞台になり、ロケ地ツアーとしても大人気になった地域として記憶に新しいのではないでしょうか。

 

川端康成、井上靖、東山魁夷が一堂に会し「残したい静けさ、美しさ」と名句を残した地であるように、まさに日本のふるさとのような風景が広がります。

 

新日本観光百選や、名水百選に「安曇野のわさび田湧水群」で選ばれ、国土交通省「水の郷」にも認定されているこの地。光と水と緑の安曇野は、ふるさとの味でいっぱいなんです。

 

そんな、ここ信州安曇野で、安心・安全な野菜作りに取り組む農家があります。

 

小林一成さん(48)、陽子さん(46)ご夫婦は、3年前にUターン就農。「あづみ野小林農園」を営まれています。

 

今回はお二人から学んだ、新鮮野菜アスパラガスのおいしい食べ方と共に、その生活の魅力をお届けします。

 

 

緑が鮮やかな、長野県のアスパラガス

残冬から三寒四温の季節をビニールハウスで大切に育てられ、4月半ばから収穫が始まるアスパラガス。アスパラガスはユリ科の野菜で、植えてから10年~15年間も長期の収穫ができます。また、伸びるのが非常に早い野菜です。

 

しまった穂先と、鮮やかな緑色が長野県産グリーンアスパラガスの特徴。長野県はその生産量が全国2位なんです。

 

茎にある程度太さのあるものがおすすめではありますが、細いアスパラガスも美しさが人気で、小林さんは地元や東京のレストランへも出荷しています。

 

小林ご夫婦によると、アスパラガスの栽培で一番気を使うのが「温度管理」。まだ霜のある春先には適温に上がるようにハウスの中でさらにもう一枚シートを重ねたり、日中には温度が上がりすぎないようにハウスを空けて外気が入るよう温度を下げたりするなど、愛情持って育成されています。

 

また、農薬の使用をできるだけ控えているそう。その分大変な作業は多いですが、安全性の高い野菜を栽培することができます。

 

子どもたちには、「安心な野菜」で育ってほしい

サラリーマン時代は地元へ戻る気もなく、目の前の仕事に無我夢中だったという一成さん。しかし、将来どうしていこうかという漠然とした不安はあったそうです。

 

転機は、2011年の東日本大震災。

 

日本中が大混乱する中、東京でもインフラが止まってしまったり、スーパーでは飲料水をはじめとした生活必需品が買えなくなったりしました。

 

当時0歳の息子を抱えたお2人は、安全な場所での育児を望み、東京と、一成さんの実家のある安曇野とを頻繁に行き来するようになります。安曇野でも震災の影響はありましたが、農家が多く自給自足が成り立つ地域のため、東京で目の当たりにした混乱とは違い、生き残るために必要な力強さがあるのを感じたそうです。

 

さらにお2人が安曇野で農業をはじめるきっかけになったのは、一成さんのお父様の存在でした。会社を辞めた後にアスパラガスを作り始めたお父様はある日、東京から里帰りに来た夫婦家族をアスパラガスで迎えてくれました。そのアスパラガスのおいしさが衝撃だったと振り返ります。

 

20年強に渡るサラリーマン生活を辞めてUターン就農することを決断した時、一番に思い浮かんだのは「アスパラガス」と、一成さん。「アスパラガスには愛情や大地の恵みがぎっしりと詰まっている。子どもたちには、安心な野菜を食べてほしいんです」。

 

小林さんが手がけるアスパラガスには、そんな温もりと愛情がこもっているのです。

 

 

みそでいただくレシピ「アスパラガスと豚肉の鉄火炒め」

そんなアスパラガスを使った、とっておきのレシピ「アスパラガスと豚肉の鉄火炒め」(http://www.mainichigrillbu.com/ouchigohan/recipe/3639/)を陽子さんから教えていただきました。

 

長野県では、自家製のみそを作っている家庭が多いそうで、今回の料理も小林家お手製のみそを使ったもの。地域の方は、みそで味付けた料理を「鉄火」と呼ぶのだとか。

 

豚肉にしっかりと味をしみこませておくことで、アスパラガスは最後にさっと炒めるだけで自然な味わいを残すことができます。みその風味とアスパラガスの新鮮な味がほどよいアクセントとなり、ご飯が進みますよ。

 

 

 

「うちの畑は、安曇野にある」そんなつながりのある農家に

いまや安曇野市で農業を生き生きと営んでいますが、満員電車にゆられていた当時は、「朝早くから夜遅くまで働くストレスの多い日常だった」と話す一成さん。

 

そんな折、ご両親が自家製の米や野菜、お漬物などを毎週のように届けてくれました。野菜の持つ力、活力を与えられて生きているのを実感したそうです。
「しかし、この循環はいつまで続くのかだろうか?」。お金を出せば何でも消費できる大都会。一方で、日本各地で起こっている高齢化に対する危機感も抱きました。

 

「この『温もりのある農と食の循環』をたやさず継承していきたい。両親に届けてもらったやさしさ、おいしさを、今度は次の世代へ」。そんな想いで就農したと話します。

 

「今度は私たちが耕し、次の世代に届けていかねばならない。そして旬の安心野菜を届けたい」。そんな想いこそ、ご夫婦が日々自然と向き合い野菜を作る原動力です。

 

かつて両親から届く野菜によって疲れた心身が癒されたという実体験から、安曇野をおすそわけできるようにと、野菜の定期便も配送しています。自然がぎっしり詰め込まれた、エネルギーあふれる旬の野菜を毎月お届けし、「つながりのある農家」を実現しているのです。

 

 

温もりのある安曇野を、地域を巻き込んで守っていきたい

さらに小林夫婦は、命をつなぐ活動として「農家民泊」に取り組み、中高生を受け入れています。農家民泊とは、農家に宿泊して農作業を手伝い、 農家の人たちとの語らいから農業・里山・ 自然の大切さを学ぶプロジェクト。

 

土に触れ、採れたての野菜を一緒に味わうことで、自然あふれる安曇野の魅力を伝えています。「農業って聞くと、サラリーマン家庭からはちょっと縁遠い感じがありますよね?」 と陽子さん。

 

陽子さんは、今まで野菜嫌いだった子が、一緒に農作業をし、採れたての旬野菜をいただくことで、「おいしい!」と目を輝かせて感動してくれる姿にとてもうれしくなるそうです。

 

お米や野菜を自分で作っていないと気がつくことのできない農の身近さや、生かされているという実感。これは、遠く離れた都心に限らず、同じ安曇野市内でもいえることで、高齢化と合わせて問題提起しています。

 

「市内の方にも農業体験の機会を増やし、安曇野の農業がこの美しい田園風景を守っている意味について一緒に考えていくことが必要です」と、語る陽子さんは、昨年度より市議会議員にも就任されました。

 

「高齢化による農業の衰退という危機を乗り越え、安曇野の良いところを残していきたい」「自分たちの世代にもつないでいきたい」。そんな思いで日々奮闘されています。

 

 

“生きる”を感じられる場所「あづみ野小林農園」

「心が乾いたら、また行こう、安曇野へ」

 

安曇野の観光協会が宣伝しているキャッチコピーです。

 

筆者も宿泊して農業体験し、一緒に食卓を囲ませてもらい心が温かくなる交流をさせていただきました。今までスーパーで買うことが当たり前の野菜が、“生きる”ということにとても身近な存在に感じました。

 

「また帰りたい」

 

そんな風に思える温もりのある場所が、安曇野の「あづみ野小林農園」にありました。

 

 

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