トマトを作り続けて25年。愛媛県内子町のベテラン農家が育てる「おいしいトマト」とは | おうちごはんラボ

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トマトを作り続けて25年。
愛媛県内子町のベテラン農家が育てる「おいしいトマト」とは

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「トマトが赤くなると医者が青くなる」

つまり「食べていれば医者はいらない」といわれるほど栄養たっぷりで、生はもちろん、ソースやジュースなどの加工品にされ、食材としてもはや私たちの生活にはなくてはならない夏野菜の王様、トマト。

愛媛県松山市から南西に約40キロ、県のほぼ中央にある愛媛県喜多郡内子町。周りを山に囲まれ、町の真ん中を清流小田川が流れる自然豊かなこの町に、「味が濃くておいしい」と評判のトマトを作るご夫妻がいます。

奥さんと二人でトマトを作り続けて約25年。ベテラントマト農家の藤岡さんに、こだわりのトマトづくりについてお話を聞きました。

 

 

歴史的町並みが残る愛媛県内子町

松山市から車を走らせること約40分、内子町の町並みが見えてきます。

江戸から明治時代にかけて木蝋(もくろう)の産地として栄え、町の中心部には当時の繁栄を今に伝える商家群が残されている、内子町。

その美しい町並みは国の重要伝統的建造物保存地区にも指定されているほど、風光明媚な町です。

 

美しい町並みとともに内子町を訪れる人が必ず立ち寄るのが、道の駅の「内子フレッシュパークからり」。

安くておいしい旬の幸が手に入ると、内子町だけでなく、松山市内からも多くの人が訪れる人気の産直市場です。

自治体主体ではなく生産者自らが運営する道の駅モデルとして、数々の賞を受賞しています。

 

その中でも目立っていたのが、真っ赤なトマト。7月下旬の取材時には、定番の大玉の「桃太郎」という品種や甘みのつよい中玉の「フルティカ」、ミニトマトなど、店内にさまざまな種類のトマトが並んでいました。

 

中でも、この「エコうちこ」シールが張られたトマトは、内子町の栽培基準から50%以上の農薬と化学肥料を減らした安全性の高いトマトなんだとか。

 

また、この「エコうちこ」トマトを使った道の駅オリジナルのパスタソースが、おいしいと大評判。内子町界隈だけでなく、遠くからも買い求めに来る人がいるほど人気がある商品です。

 

 

約25年のベテラントマト農家、藤岡清一さん

このパスタソースの原料のトマトを作っているのが、ラベルのモデルにもなっている、トマト農家の藤岡さんご夫妻です。

 

藤岡清一さんは、内子町でトマトを作り続けて約25年。トマトとキュウリが専門の専業農家です。

 

藤岡さんは5つのビニールハウスの中に、「桃太郎」系の数種を約800本(定番のトマトだけあって、桃太郎といっても、いくつかの種類があります)、加熱用の「ボンジョルノ」という品種を約100本、ミニトマトを約100本と、合計約1000本のトマトの木を栽培しています。

一般的にトマトは2月の終わりごろに苗を植え、収穫するのは4月末頃から8月のお盆あたりまで。今回取材に伺った7月下旬はもうシーズンも終わりとのことで、

「赤い実がいっぱいなったハウスを見たいんだったら6月頃に来なくちゃダメだよ!」と笑われてしまいました。

 

しかしかろうじて、木いっぱいに宝石のような赤い実を成らせたミニトマトを見ることができました。

 

シーズン終わりと言っても、まだこんなに収穫できました!

藤岡さんが出荷するトマトは、その日の朝に採れた朝採りトマト。昼の間に葉で光合成した養分が夜中に実に移動して蓄えられるので、朝採れたトマトが一番味が濃いと言われています。

藤岡さんは熟し頃の一番おいしいときを見はからってトマトを収穫し、その日の朝に出荷しています。

 

 

おいしいトマトのヒミツは「入念な水やりとお世話」

夏の出荷時期は、朝8時前でもハウスの中はかなり暑く、少し歩いただけでも汗がでるサウナ状態。でもこの暑い日差しがトマトの実を赤く甘く、熟してくれるのだそうです。

酷暑の中、1000本のトマトの剪定作業をする藤岡さん。おいしいトマトを収穫するには毎日の木々の手入れが欠かせません。

 

ハウスの地面には水道のパイプが通っており、これで木の様子を見ながら水をあげています。

「水は少ない方が甘いトマトには仕上がるんやけど、また少なすぎると皮が固くなりすぎちゃって、石みたいなトマトになるけん、調整が難しいんよ。でもうちの場合は、畑が家の前にあるけん、すぐに木の様子を見られるけん、そこはいいんやけどねー」

と伊予弁で笑いながら、でも慎重に水量を調整する藤岡さん。

藤岡さんは作業を終えて家に入った後も、トマトが気になり、ちょくちょくまた、トマトの様子を見に行ってしまうのだそうです。

おいしいトマトづくりのヒミツはやっぱり、子どもを育てるように愛情をかけた、こまめなお世話にあるようです。

 

 

一番の楽しみは、毎日の「完売」

シーズン中は毎日、早朝5時頃から作業を始め、7時前にはその日のトマトの収穫は終えてしまいます。そして収穫したトマトを袋詰めにして「エコうちこ」シールを貼り、

8時には車に積み込み、道の駅からりへと出荷します。

 

出荷したトマトの販売状況は、30分毎に道の駅から藤岡さんのパソコンへと送られてきます。それを作業の合間にチェックしては、完売になるのを見届けるのがシーズン中の藤岡さんの一番の楽しみ。

「売り切れになって、『次の出荷はまだですか?』って道の駅から言われるのが一番うれしいね。お客さんが待ってるけんがんばらんと、って暑さも気にならなくなるんよ。完売報告のページを見ながらの晩酌は最高やねぇ、疲れも吹っ飛ぶよ」

 

「毎日暑いけど、いつもトマトを食べているせいなのか、私も主人もいつも元気なんですよ。炎天下での作業はしっかり食べてないと体力が持ちません。我が家の食卓はトマトたっぷりで簡単に作れるものが多いですね」

 

そう話す奥さんから教えてもらったおすすめのトマト料理が「トマトとめんつゆのリゾット」。(http://www.mainichigrillbu.com/ouchigohan/recipe/4519/

 

残りごはんで簡単にできるリゾットです。トマトの甘酸っぱさとバターの甘さが爽やかに効いた、食欲のないときにもスプーンがすすむおすすめの一品です。

 

 

待ってくれている人がいる限り、トマトを作り続けていきたい

藤岡さんは現在68歳。2人いるお子さんは松山と神戸でそれぞれ独立しており、トマト作りを継いでくれる後継者は今のところいないのだそう。

「だけど道の駅に行けば、おいしかったって声をかけてもらえるし、僕らの作るトマトを待っていてくれる人たちがおるけん、それが励みなんよね。あてにしてもらえる限り、僕らはトマトやっていきますわ」

「味が濃くておいしい」と完売になることが多い藤岡さんのトマト。

次の世代の誰かへと、おいしさ作りの引き継ぎができる日がくることを思いながら、今日も藤岡さんご夫妻は畑に出ています。

 

道の駅「内子フレッシュパークからり」

http://www.karari.jp/facility/chokubai.php

 

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