料理の名脇役「すだち」。使い方を知れば今日から主役!?徳島県「みかん農家の宿 あおとくる」石川さんご夫婦に聞くすだちの活用法 | おうちごはんラボ

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料理の名脇役「すだち」。使い方を知れば今日から主役!?
徳島県「みかん農家の宿 あおとくる」石川さんご夫婦に聞くすだちの活用法

オフィシャルメンバー 旅人料理編集部

みなさん、「すだち」といえば、何を思い浮かべますか?

秋の味覚、秋刀魚にぷしゅっとかけるモノ。「かぼす」と似た緑の柑橘?

……他、特になし。

だいたいみなさんこんな感じではないでしょうか? 「添えもの柑橘」として代表的なすだちですが、果汁をかける以外の使い方はあまり知られていません。豊かな香りで爽やか、かつ味の切れ味バツグンのこの果汁を、もっと日常のいろいろなシーンで活用したい!

 

そこで今回は、すだち生産の本場、徳島県の山あいで柑橘を育てる「みかん農家の宿 あおとくる」さんにお邪魔し、すだちの魅力や、バリエーション豊かな活用法を伺いました。

 

▲勝浦町の風景。山の斜面のいたるところに段々畑が

 

都会の真ん中から、段々畑の真ん中へ

徳島市内より車で30分ほど。清流勝浦川と常緑の山々に囲まれた場所に、勝浦町はあります。ここは徳島県内でも有数のみかんの産地。年内に収穫した果実を山の倉庫で寝かせ、酸味をまろやかにしてから出荷する貯蔵みかんで知られた町です。

 

▲綺麗に石垣が積まれた段々畑は、愛媛や和歌山に比べて段ごとの幅が広い印象

 

山々の斜面には、いたるところに石垣を積んだ段々畑が。その昔田んぼだったところが、今は柑橘畑として使われているのだそうです。畑の木々の合間からは柑橘運搬用のモノレールがきらりと光って見えます。

 

▲段々畑の真ん中に建つ「みかん農家の宿 あおとくる」

 

そんな段々畑が広がる景色の真ん中にあるのが、今回取材した「みかん農家の宿 あおとくる」さん。

東京で会社員をしていた石川翔さん、美緒さんご夫婦が4年前にこの地に移り、築120年の古民家を改修して住まれています。

 

 

「夫婦一緒にできる仕事」を求めた結果、勝浦でみかん農家に

▲あおとくるの柑橘畑

 

「関東に住んでいたとき、夫婦ふたりで一緒に仕事ができる道を探していました。そんなときに、勝浦町でみかん農家後継者を募集していることを知って、ちょっと面白いかも、と思ったんです。」と、石川美緒さん。

 

食べ物をつくる農家に興味はあったものの、農業をはじめるための金銭的・技術的なハードルから、実際に農業をすることは選択肢として考えていなかったのだといいます。そんな折に勝浦町と出会い、地域の方の畑を継ぐ形で就農したのだそう。

 

周囲の農家さんたちに教わりながら、勝浦特産の晩生(おくて)温州みかん、すだちを中心とした柑橘を育て、今年で3シーズンが経過しました。

 

 

多少見た目が悪くても、安心して使えるすだちを

▲すだちがなる様子

 

石川さんご夫婦が育てるすだちは、有機肥料を使い、無農薬で栽培されています。

そこにはもともと「食べる側」だったおふたりならではのナチュラルな消費者目線がありました。

 

「すだちの使い方というと、秋刀魚に果汁を搾るくらいしか知られていませんよね。僕たちもこっちに来てからいろいろ試してみて、搾るだけじゃなく、皮を使ったり、スライスした果実を食べたり、今までにない楽しみ方を知りました。すだちの香りはどんなものにも合います。そういう用途を考えると、多少キズがあったとしても皮まで神経質に洗わない方が、より気軽に使えていいなと思い、農薬をかけずに育てています。」

 

すだちは木が強いため、無農薬栽培でも無理なく続けられるものなんだとか。

ただし、苗木を植えてから10年くらいは実がならないとのこと。経済生産ができるまでに時間のかかる木なので、木を枯らすカミキリムシが入らないように細心の注意を払っているそうです。

 

 

あたらしい農家のスタイル

▲小さなすだちをひとつひとつ手で収穫します

 

他にすだちを作るうえでのこだわりを伺うと、おふたりは口をそろえて

 

「楽しんでつくること!」と言います。

 

「農家さんって、どうしても朝から晩まで働き詰めっていうイメージがありました。でも、そんな風に寝る間を惜しみ、休みもなく働きづめでつくった作物を果たして消費者は食べたいのかな?と疑問に思って。飲食店でも、労働環境がブラックな居酒屋にはお客さんも行かなくなったでしょう。きつくてつらくて、というスタイルでは農家は続かないし、後継者も出てこない。だから働き方を変えていかないと、と思っています。自分たちの暮らしや生活を大切にしたうえ、楽しんで農業をすることが僕たちのこだわりですね。」

 

そう話すおふたりは、農家業のかたわら、自宅で「みかん農家の宿 あおとくる」や、古本屋「古書ブン」を運営され、日本だけでなく世界各地からゲストを迎えています。

 

宿に泊まりに来たお客さんにふるまうとれたての柑橘や野菜が評判なんだとか。

 

「あおとくる」がきっかけで、みかんやすだちに興味を持ってもらったり、活用法を知ってもらえたりすることも、ひとつの楽しみだそうです。

 

 

すだちってこんなにいろいろ使えるんです

▲すだちの皮をすりおろしてお豆腐に

 

「あおとくる」でも多くのゲストを楽しませ、驚かせている石川さんご夫妻に ”搾るだけじゃない”すだちの活用法を伺うと・・・・・・

 

「皮に香りがあるので、それを擦って豆腐に添えたり。うどんやそばにも合いますね。ドレッシングに入れるビネガーの代わりに搾っても。あとはみそ汁に果汁をたらしたりとか。」と翔さん。

 

「果汁は野菜炒めにも合うんですよ!あとは薄くスライスして、そうめんに乗せたり、甘いケーキにのせてもおいしいです。あと私は、スライスしたすだちをグラニュー糖と合わせて、2週間くらい置いてすだちシロップを作っています。」と美緒さん。

 

出てくる出てくる! すだちって、こんなにいろいろな活用法があるんですね。

 

「世にはレモンを使ったレシピはたくさんありますが、すだちだって同じように使えるんですよ。輸入レモンを使うかわりに、ぜひ日本の香酸柑橘をもっと使ってほしいなと思います。」

すだちの活用法は食べる以外にも!

あおとくるでは、東京や徳島の銭湯での「すだち湯」なるイベントに果実を提供しているのだとか。湯舟にすだちを浮かべて揉むと、とても良い香りがするそうです。

 

すだちの皮すりおろし冷ややっこのレシピはこちら

 

 

あおとくるを通して、多くの方とつながりたい!

産直への出荷を中心に、インターネットでの販売も行なう石川さんご夫婦。

 

「市場に出荷をすると、誰が買っているのかなとか、どこに届いているのかなとか、どうしても分からない部分があります。だから、直接やりとりできるようにしたいです。」

 

昨夏オープンした「古書ブン」では、SNS上ですだちと本の交換企画を募ったところ、大きな反響があったのだそう。また、宿に泊まったお客さんがすだちやみかんを買ってくれることが嬉しいのだといいます。

 

「あおとくるを通して、多くの方とつながりたい!」とは美緒さん。

おふたりの姿や活動を通して、すだちや柑橘の魅力を発見する人は、これからも増えそうです。

 

【補足情報】

・すだちの旬は8月~9月。

・「みかん農家の宿 あおとくる」さんでは、地元産直での直売の他、インターネット販売を行なっています。

8~9月はすだち、1月~2月ごろには勝浦特産の熟成みかん、レモンなど。

参考)ホームページ&販売サイト https://aotokuru.official.ec/

 

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