「色がかわるふしぎな食べもの」

8月5日(日)、身近にある食材を混ぜ合わせ、意外な色の変化を楽しむワークショップを開催しました。講師には、科学する料理研究家・平松サリーさんをお招きして5つの実験を実施。当日は、夏休み真只中ということもあり、参加者のみなさまはご家族一緒に参加してくださいました。

それでは、さっそく実験1からレポートします。

実験1「色が変わるむらさきキャベツ液の不思議」

ひとつ目の実験は、むらさきキャベツの液に身近な調味料を加えて色の変化を試します。

各テーブルの上には、コップに入ったむらさきキャベツの液と、①砂糖水、②塩水、③お酢、④レモン汁、⑤重そう、⑥こんにゃくの汁、⑦洗剤1、⑧洗剤2がセット。それぞれをむらさきキャベツ液に混ぜていくと一体どのように色が変化していくのでしょうか。

まずは、むらさきキャベツの液をコップにうつして8等分にします。そのあと、スプーンを使って8種類の液体と混ぜます。

どのテーブルもお子さんが率先して作業し、お母さんがそれをサポート。「あ、変わった!」、「あれ、変わってない」など徐々に変化していく様子にみんな興味津々です。

最終的にむらさきキャベツの液は、こんなにカラフルに変化しました。お酢、レモン汁はピンク色に。重そう、こんにゃくの汁、洗剤1はみどり色に。砂糖水、塩水、洗剤2はほぼ変化がないという結果に。

「みなさん、どうしてむらさきキャベツの液の色がかわったのでしょうか。そして、変化があるものと、ないものの違いはなんでしょうか。これは、それぞれ混ぜた液体の性質が違うからです」と平松さん。



平松さんの解説はつづきます。
「水にとけこんだものを水よう液と呼びます。むらさきキャベツの液も水よう液で、8種類の液体もそれぞれ水よう液です。水よう液は、酸性と中性とアルカリ性の3種類にわけられます。中性の水よう液に酸性の水よう液を入れると、酸性に近づき、アルカリ性の水よう液を入れるとアルカリ性に近づきます」

「むらさきキャベツの液のむらさき色はアントシアニンという成分の色です。このアントシアニンは、中性では青むらさき色、酸性では赤むらさきやピンク色、アルカリ性では水色やみどり色に色が変わるという性質があるため色が変化しました。2種類の洗剤が変化するものとしないものがあったのも、洗剤の性質によるもの。変化があった洗剤1はアルカリ性で、変化がなかったものは中性の洗剤でした」


平松さんの解説に、お子さんと一緒にお母さんやお父さんも一緒に頷きながら賛同する声が。理科の授業を受けているかのように真剣に話を聞いていました。

続いては、ノーリツのマルチグリルを使用した実験2「色がかわる!?カメレオンむしパン」。

まずホットケーキミックスとブルーベリージャムを使ってむしパンの生地をつくり、マルチグリルで10分間蒸します。ただむしパンを作っているのではなく、これも実験です。

「みんな、蒸す前の色を覚えておいてね~!蒸した後は何色に変化しているかな?」と話す平松さん。お子さんたちは蒸す前の色を覚えておこうと、スマートフォンで撮影したりする場面も。

果たして、10分経ったらどんな色に変化するのでしょうか?蒸しあがるまで、次の実験へ!

実験3「むらさき野菜の甘酢あえをつくろう」



この実験では、むらさき色の野菜が、砂糖、お酢、塩の身近な調味料と混ぜることでどんな色へ変化するのか試します。

結果は、きれいな赤ピンク色に変化しました。これは、実験1で行った通り、むらさきキャベツのアントシアニンが、お酢のアルカリ性に反応したためです。とっても鮮やかな色になるので、カラフルな食卓になりそうですね!

実験4「ターメリック水の色をしらべよう」

こちらは、ターメリック(ウコン)を使った実験。ターメリック水が入っている2つのコップに、水と重そう水をそれぞれ加えて変化を見てみます。

すると、重そう水を加えたものだけオレンジ色に変化。これは、ターメリックの黄色の色素であるクルクミンが重曹に反応し、黄色から赤く色づいたためです。

お子さんは自分で混ぜた水が、みるみるうちに変化していくのを見逃さず楽しんでいる様子でした。

実験5「色がかわるふしぎなお茶」

次はブルーマロウというお茶とレモンシロップを使って、色の変化を楽しみます。



まず、水の入ったコップにブルーマロウのティーバックをひたして水出しします。氷とレモンシロップを入れたコップに、ブルーマロウのお茶を氷にあてるようにそっとそそぎます。

そうすると、画像のように2層のドリンクが完成!一気にそそぐと2層にならないのでコツがいるのですが、大成功しているご家族がいらっしゃいました!ブルーマロウのお茶そのものは青むらさき色ですが、レモンシロップの酸性に反応してピンク色に変化。夏にピッタリな涼しげなドリンクとなりました。

2つの実験を楽しんでいるうちに、むしパンが完成!

蒸す前は、むらさき色だった蒸しパンがみどり色に変化しました。
これは、ブルーベリージャムに含まれるアントシアニンがアルカリ性になったため。ホットケーキミックスには、重そうが含まれており、熱を加えると炭酸ナトリウムという成分にかわります。炭酸ナトリウムは重そうより強いアルカリ性なので、ブルーベリージャムのアントシアニンが反応し色が変化したというわけです。

そこに、レモンシロップを加えるとその部分だけピンク色に変化。これはレモンシロップを加えることで生地が酸性となりアントシアニンがピンク色になったためです。

実験後は、実食タイム!自分で作ったブルーマロウのドリンクとむしパンを食べながら各々で今日の実験を振り返ります。

ワークショップの終わりには、最後まで実験を楽しんだお子さん達へメダルをプレゼント。普段聞きなれない言葉がたくさん出てくる中、むずかしいと感じる部分もあったかもしれませんが、みんな立派にやりとげました!

今回行った実験は、自宅でも再現できるものばかり。いつも何気なく使っている食材も科学的な目線で見てみるとそれぞれ性質が違って見た目も鮮やかな化学反応が起きるものなんです。科学がグッと身近に感じたワークショップ、いかがでしたでしょうか?たくさんのご参加、ありがとうございました!

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