2019.11.11UP
二十四節気に合わせて心と体を整える“啓蟄”
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに食事を通して、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第21回は「啓蟄(けいちつ)」です。
啓蟄とは3月5日~3月20日頃、土の中で冬ごもりしていた虫たちが春の暖かさを感じて地中からはい出し始めるという時季です。
この時期といえば「花粉」のピークをイメージされる方が多いのではないでしょうか。中医学では季節の不調はひとつ前の季節の養生に深く関係すると考えられています。つまり、冬の養生が花粉症対策には重要というわけです。花粉症対策は、「根本的な体質改善」と「症状を抑える養生」の2段構えが基本です。まずは花粉症のタイプから見てみましょう。
花粉症のタイプは4つ。それぞれの症状に合わせた養生法があります。
①風邪に似た「寒」の花粉症。
体の冷え、顔色が悪い、透明で水っぽい鼻水、くしゃみが特徴で口の渇きはありません。冷えが原因なので体を温めるようにしましょう。香りの良いお茶を飲んだり、お風呂に浸かるのもおすすめです。
②目の充血「熱」の花粉症。
顔色が赤っぽく、黄色く濃い鼻水や痰、口の渇き、目の充血、皮膚の赤みが特徴。熱をとる働きのあるどくだみ茶や、すっきり効果のあるミントティーが効果的です。
③まぶたの腫れからなる「湿」の花粉症。
多量の鼻水、まぶたの強い腫れ、食欲不振、舌苔が増える、舌先が赤くなっているのが特徴。白目は「肺」と深い繋がりがあるので、花粉が肺の機能を低下させることに起因します。また胃腸の働きが弱くなり、体の水分バランスが偏ってしまった状態ですので、利尿作用のあるハト麦茶や菖蒲茶、琵琶茶を飲むと良いです。セロリ・きゅうり・クレソン・菜の花・ふきもオススメ食材です。
④疲れやすい「虚」の花粉症。
疲れやすい、倦怠感、汗が多いのが特徴。憂鬱な気分にも陥りやすく、長期的に苦しむ人も多いようです。肺や脾胃を強くして体力を補っていきますので大豆製品、インゲン豆、黒豆で脾胃を養い、肺を潤す山芋やレンコンを積極的に取り入れましょう。
中医学の対処法で花粉症を改善させるためには3~4年の期間を要します。病院を受診して薬を処方してもらい、症状を抑え込むことで日々の生活を送りながら、自分はどのような症状が強いのか継続して自己観察をすることが大切です。自分のタイプがわかってきたら、中医学に基づく対処療法を実践してみてください。症状に合ったお茶を飲んでみたり、効果的な食材を積極的に取り入れて体の変化を楽しんでみてはいかがでしょうか。
参考
「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代
「日本中医薬研究会」WEB
「中医学情報サイト COCOKARA」WEB