どのご家庭にも必ずある調味料の1つ「酢」。
酢といえば米酢や穀物酢が一般的ですが、そのほかにもりんご酢、バルサミコ酢、ワインビネガー…と、数えきれないほど種類があります。
今回は、よく似ているけれども使い分けが悩ましい米酢と穀物酢の違いや、お酢の役割、そして上手に取り入れる方法をお話しします。
米酢と穀物酢は何が違う?
米酢と穀物酢の違いは原料です。
米酢は、名前からわかる通りお米から作られた酢。
それに対して穀物酢は、小麦・酒粕・米・コーンなどの雑穀から作られている酢。
通常米酢の方が穀物酢よりもお値段が高めであることから、米酢の方がいいのでは?と思われることもありますが、そういうわけではありません。
コクのある味わいなら米酢、さっぱりとした味わいを楽しむなら穀物酢とそれぞれ味の特徴があります。
まろやかな香りを楽しみたいときは米酢、料理をさっぱり仕上げたいときは穀物酢、と、用途に応じて使い分けるのがおすすめです。
料理における酢の役割
では、料理における「酢」の役割とは?
まず、酢で思い浮かべる効果といえば、殺菌効果。
酢を薄めた水でお弁当箱の中をさっと拭いておくと消毒ができて腐敗しにくくなるんです。また、料理に酢を使うと菌の繁殖を抑えてくれるほか、食材の変色を防いでくれます。
ゴボウやレンコンを切った後、酢水にさらすことがありますが、これは酢の力で食材の変色を抑えることができるから。殺菌や変色予防を目的にお酢を使うときは、香りが少なく安価な穀物酢がおすすめです。
まだまだあります、お酢の活用法。料理中もお酢はとても優秀な働きをしてくれます。
例えばポーチドエッグを作るとき。お湯にお酢を入れるとキレイなまん丸ポーチドエッグがつくれることご存じでしょうか。
これは、お酢にたんぱく質を固める力があるため、キレイな形に仕上がることができるのです。
とはいえ、固めるだけがお酢の力ではありません。手羽元などを煮るときにお酢を加えると、より柔らかく仕上がります。ポーチドエッグのときとは真逆の作用ですが、お酢にはたんぱく質の分解を促進する作用もあることから、このような効果が生まれます。
疲れた時こそお酢を使おう
体を動かして疲れたとき、すっぱいものが欲しくなることはありませんか?
お酢に含まれるクエン酸は、体内でブドウ糖を効率よく燃やし、体内にたまった老廃物を外に排出してくれるという、まさに疲労回復には欠かせない成分です。運動後やだるさを感じたとき、酢のものを食べたりサワードリンクを飲んだりするとすっきりしますよ。
料理面でも健康面でも、暑さが厳しい夏はお酢の効果を最大限に利用してみてはいかがでしょうか。まだまだ続く長い夏を元気に過ごすためにもお酢をうまく使ってみてくださいね。
参照:知っておきたい栄養学(GAKKEN)