2019.11.13UP
二十四節気に合わせて心と体を整える“立秋”
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第7回は「立秋(りっしゅう)」です。
立秋とは8月7日~8月22日頃を指す、本格的な酷暑の時期です。秋とは名ばかりで夏真っ盛り。スコールのような局所的な豪雨に熱帯夜…!日本の夏はまるで亜熱帯さながらの気候ですね。ところが蒸し暑い外とは対象的に、冷房が効いた室内で身体を冷やしてしまっている人が多いように見受けられます。夏だからこそ外に出て汗をかき、代謝を上げておくべき時季。そうでないと、秋に実りはありません。自然の気候に沿って過ごすことが大切なのです。
太陽に照らされて、顔からたくさん汗をかくことはお肌にも良い影響を与えてくれます。顔から汗が出るということは、肌の生まれ変わりも早まるので、この季節はシミが改善できるチャンスなのです。とはいえ、なにもしないでいるのはNG。コラーゲンやビタミンCを多めに摂るように心掛けてください。肌の代謝を促すフェイスマッサージも効果的ですが、日焼けをした日は触るだけで肌を刺激してしまうので日焼け当日のマッサージは避けるようにしましょう。
夏は陰陽五行説で表すと“心火”。小腸と関係が深いと言われています。そして近づいてくる秋は“肺金”。大腸との関係が深くなります。すなわち、小腸と大腸を意識して気をつけましょうということです。夏バテ予防だからと肉ばかり食べていては大腸に負担をかけてしまいます。野菜の繊維や発酵食品(味噌、ヨーグルト、塩麹、ぬか漬け、納豆など)をしっかり食べて腸内環境を整えておきましょう。また、口当たりがよいからと冷たい麺やアイスなどを食べすぎてしまうのも気を付けてください。胃腸が冷えてしまうので注意が必要です。1日のどこかでお味噌汁を飲むと良いでしょう。
立秋には「これを食べましょう」という具体的な食べ物はありません。しかしこの時期は夏野菜が豊富で、少しずつ秋野菜が店頭に並び出すタイミングでもあり、野菜売り場が賑やかになります。特におくらは茹でるだけで食べることができて、整腸作用が期待できる食材。食欲増進効果もあるので積極的に食べたいですね。8月7日はおくらの日とのことなので、家族でおくら料理を楽しんでみるのもよさそうですね。。
暑さで食欲が落ちる時期ではありますが、そんなときは梨や桃などみずみずしい旬の果物を食べるなどして栄養補給するのもオススメです。野菜売り場に出かけて旬を知り、自然のパワーを取り入れて酷暑を乗り切りましょう。
出典:「旧暦で楽しむ日本の四季 二十四節気と七十二候」宝島社
「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代