2020.8.11UP
和食のさしすせそ
和食の調理においては「さしすせそ」が大切、と昔から言われてきました。
「さ」=砂糖
「し」=塩
「す」=酢
「せ」=しょうゆ(せうゆ)
「そ」=みそ
これは、調味料を入れる順番を表しています。
素材に染み込みやすい順番が、この「さしすせそ」なのです。
なぜ、「さしすせそ」?
例えば野菜の煮込みを作ろうと思ったとき、最初にしょうゆを入れてから後で砂糖を加え
ても素材に砂糖の甘みが入っていきません。砂糖だけで最初煮込んでからしょうゆを加え
ると、柔らかく優しい味わいになります。
レシピ通りに作っているはずなのになんだか味が決まらない、ということがあるとしたら
この「さしすせそ」の順番のせいかもしれません。
この順番は絶対的なものではなくて、例えば炒めもののようなもので合わせ調味料を使う
ときは順番関係なく最初から混ぜて使います。
自分の割合を身につけよう
「さしすせそ」の調味料は、一つだけ使うということは稀。
組み合わせで使うことがほとんどですね。
料理を始めたばかりの頃はレシピとにらめっこして分量もきちんとはかるのでいいのですが、これが毎日のこととなるとなかなか大変です。
私は料理教室を開催しているのですが、レシピをご紹介する際は、分量とともに割合の話をすることが多いです。
例えば以前のコラムでご紹介した「かえし」。
しょうゆ:みりん:砂糖=5:1:1
とご紹介しています。
料理においても、「魚・肉の分量に対して塩何パーセント」という表現を使うことがよくあります。
「パーセント」という言葉を出すと、数学みたいで苦手、という方も多くいらっしゃいます。これはとても大切で、例えば塩豚を作ろうと思ったときに、レシピではお肉500gに対して塩30gと書いてあったとします。実際にお肉を買うときに、500gぴったりということ
は滅多にありませんよね。
レシピ分量より多かったり少なかったり。
その時に調味料も増減させないと味気なかったりしょっぱかったりするわけです。
なので、自分のお気に入りのレシピを見つけたら「メインの食材に対して調味料が何パーセントくらい。」だったり、「調味料の割合は 1:1:1。」だとか、メモを取っておくといいですよ。
ちなみに先ほど書いた塩豚ですが、こちらのレシピでご紹介しています。
塩の目安は「豚の量の7~8%」。
こうして覚えてしまえば、お肉が大きくても小さくても怖いものなしです。
和食のさしすせそ、順番と割合、ちょっと意識してみてください。
料理の腕がワンランクアップしますよ。
(オフィシャルメンバー:戸根みちこ)
参照:
野崎洋行が考えるおいしい法則(池田書店)
レシピのいらない和食の本(講談社)