二十四節気に合わせて心と体を整える“大寒”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。

第113回は「大寒(だいかん)」です。

大寒とは1月20日~2月3日頃。節分から次の暦はスタートしますので、大寒はまさに旧暦の最後を飾る時期。寒さも厳しくなり、お酒や味噌を仕込むと良いとされる時期ともいわれています。 

そんな大寒をテーマにした今回のタイトルは「味噌を仕込んでみよう!」です。地域によって味わいが異なるお味噌は、日本人の食卓に欠かせないもの。筆者が育った地域は一般的に信州みそが好まれているので、家で仕込むときも信州みそになります。この信州みそは、大豆に米麹と塩を加え発酵させるのがポイント。大豆と米麹の比率は1:1、塩分濃度は12%程度がおすすめです。

作り方はとてもシンプル。大豆に対して3倍の量の水に12時間浸し、柔らかくなるまで煮ます。煮あがったら大豆をつぶして常温まで冷まし、別容器に米麹と塩を混ぜます。大豆と米麹、塩を混ぜ、空気を抜いた団子状にしていきましょう。なるべく空気が入らないよう味噌用のタッパーやジッパー付バッグに入れ、半年〜10か月間を目安に熟成させれば味噌になります。

私が作るときは、上記でお伝えした一般的な味噌づくりではなく「おから味噌」を仕込みます。大豆を茹でたり潰さない味噌づくりで、“おから”と“豆乳”で作ります。工程が少なく簡単ですが、もちろん素材にはこだわります。おからと豆乳は美味しいと評判のお豆腐屋さんから購入し、塩もコレと決めています。柔らかな仕上がりの味噌になりますが、甘くておいしいので私のお気に入り。家族用の味噌だからこそ、なるべく家族の“手”を使うようにしています。

手作り味噌で何よりも大切なのは、清潔に洗った“素手”で作業を行うこと。手の常在菌で味噌の味が変わるので、その人の菌で仕込むとその人に合った発酵食品ができるともいわれています。

寒い地域で寒い時期に作られる味噌。暖かいとカビが出たり、過発酵して醤油のようになってしまうのです。そのため家庭で仕込んだ味噌は、室温が低く直射日光が当たらない場所で熟成させます。我が家は玄関が1階北向き。石床があるので、ここで熟成させると味噌が安定して美味しくなります。発酵も生き物ですからね!たまに声をかけて、様子を見て気にかけてあげます。

自宅で味噌を仕込む利点は、なんといっても自分で材料が選べるところ。大豆も米麹も塩も好きな産地から選べます。米麹は乾燥より生麹を選ぶといいなど、自分が持っている情報を反映させやすいのも嬉しいですね。自宅で味噌を仕込まれる方は、ぜひ精製塩でなく、原料の信頼できる天日塩を選んでください。味噌の味に大きく影響します。

味噌づくりを身近に感じてもらえるよう、最近は味噌づくりキットが販売されています。初めてチャレンジする場合は、大豆を茹でる過程をスキップして茹で潰してある大豆と生米麴のキットもあるので探してみてください。私のように、おから豆乳味噌を仕込むのもおすすめですよ。

少しでも興味がわいたら、今年は味噌を仕込んでみませんか??




参考:「鈴木麹店」HP

オフィシャルメンバー:滝野香織

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