2019.11.11UP
二十四節気に合わせて心と体を整える“小満”
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識して、自然の流れに沿った食事をし、自分の内側に耳を傾け、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第2回目は「小満(しょうまん)」についてご紹介したいと思います。
5月21日~6月5日頃、草木が天地に茂って気温も上がってくると麦の穂が育ち、紅花が咲く季節が到来です。
この時季の食材で最も注目したい旬ものは「ソラマメ(空豆、蚕豆)」。
小満をさらに3つにわけた初候を「蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)」と言い、蚕が桑を盛んに食べ始めるころと言われています。蚕を飼う初夏に食べられることや、さやの形が蚕に似ていることから「蚕豆」という字があてられているのです。身近な食材ですが、ソラマメは大豆、落花生、エンドウ豆、インゲン豆、ひよこ豆とともに世界6大食用豆の一つ。昔ながらのおやつ「いかり豆」や、煮豆の「おたふく豆」、調味料の「豆板醤」はソラマメが原料です。
ソラマメにはビタミンB11、鉄分、亜鉛、カリウム、食物繊維が豊富に含まれており、疲労回復や肌荒れの改善、むくみ解消、便秘解消など、さまざまな効果が期待できます。この時期にしか店頭に並ばないので旬を味わってみてくださいね。
草木が枝葉を伸ばす初夏に、心や身体やをのびのびさせることができれば、健康に過ごすことができます。全身の血行が良く、自律神経のバランスが整っている状態であれば、肩凝りや首凝り、頭痛に悩むこともなく、体温調整や血圧、睡眠状態と、全身が安定している状態。
もし精神面での不調を感じた場合は、良質なたんぱく質を積極的に食べて血液量を増やしていきましょう。身体的な不調を感じる場合は、冬から春の間に身体の休息がとれないくらい本気で忙しく過ごしていたか、身体を冷やしてしまったことが考えられます。身体が疲れてオーバーヒートを起こし、暑がりになっている場合は、身体の熱をとる夏野菜(トマト・きゅうり)を夕食に摂って身体をクールダウンさせましょう。身体が疲れていても暑がりではなく冷えを感じる場合は、身体を冷やさずに老廃物を排泄させる豆類(特に小豆)を食べるのがオススメです。
日を浴びて輝くには心と身体の健康と体力が必要です。焦らず体力作りを行いながら小満の食を頼んでみてください。
【出典】
「二十四節気に合わせ心と体を美しく整える」 著者:村上百代