二十四節気に合わせて心と体を整える“立秋”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。

第102回は「立秋(りっしゅう)」です。

8月7日~8月22日頃となる立秋は、秋とは名ばかり。日本では夏真っ盛りですね。今回のテーマは「土用」です。

「土用」と聞いて思い出すのは「土用丑の日のうなぎ」。毎年微妙に日にちが違うことに加え、カレンダーにも書かれていない場合もあるので祝日ではありません。その割に、「うなぎを食べる日」として土用の丑の日は全国的に浸透していますが、みなさんは土用が年に4回あることをご存知でしょうか。「土用」は暦の上で「雑節」とされ、春夏秋冬それぞれの季節の終わり約18日間を指します。「立春」「立夏」「立秋」「立冬」格日の前、約18日間が土用の期間となるのです。土用の丑の日とは、つまりその土用の期間中の丑の日を指すというわけです。 

土にまつわる土用の期間中には、土を動かすことを良しとしません。家を建てること、家の建築で初めて柱を立てる柱立、礎を置くこと、家の修理や修復、井戸を掘ること、壁を塗ること、一切を「凶」とするのです。引っ越しや旅行もよろしくありません。土用の18日間が年に4回もあり、これら全てを禁じたのではあまりに都合が悪いので、「間日」という土を動かしても祟りが起こらない日が作られています。  

土用に食べることが良いとされているものは陰陽五行説により導き出されていて、以下になります。

冬土用は未の日に「ひ」のつく食べ物や赤い食べ物

春土用は戌の日に「い」のつく食べ物や白い食べ物

夏土用は丑の日に「う」のつく食べ物や黒い食べ物

秋土用は辰の日に「た」のつく食べ物や青い食べ物

おせちや七草がゆといった明確な行事食ではありませんが、体調を整えることをはじめ、季節の不調に効果が期待できる食べ物、その時期に旬を迎える栄養価の高い食べ物だったりします。土用の時期は体調の変化を感じやすく、いわゆる未病状態になりがち。昔から土用の時期は身体を労わる食事にして、変わりゆく季節に備えたのでしょう。

現代において夏土用にすべきことは、梅干しを干す、暑中見舞いを出す、衣類や布団の虫干しをする、薬草を入れたお風呂につかる、といったところです。あとはうなぎをいただいて英気を養いましょう。



参考:「土用」日本文化いろは辞典

   「いい日本再発見」WEB

   「和の食材便利帳」

オフィシャルメンバー:滝野香織

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