2019.11.11UP
冷えない体を作ろう。冷えの仕組みと対策とは?
暖かく過ごしやすくなるこれからの時季、洋服も薄着になり、今まで縮こまっていた体も徐々にのびのびしてきます。
しかし、意外にも体の不調を訴える人が多く、特に「冷え」で悩む人が増えてくるのもこの時期。外が暖かくなるにつれて室内を冷房で冷やすようになるため、オフィスなどの屋内で日中を過ごすことが多い方は、冷えを感じることが増えてくるかもしれません。
今回は、冷えの仕組みと対策についてご紹介します。
■低体温と冷え性
体が冷えている状態には「低体温」と「冷え性」の2つがあります。両者は似ているようで違います。
低体温の人:体の中心部から冷えている人
冷え性の人:体の中心は37℃ほどあるのですが、末端のみが冷えてしまう人
低体温の場合は生活習慣の見直しなどで根本的に体温を上げる努力が必要です。それに比べて冷え性の人は、芯から冷えているわけではないのに末端が冷えてしまうわけですが、なぜこのような違いが出てくるのでしょうか。
人の体は、中心の温度を一定に保とうとします。寒い時期や冷房で室内が冷えているときは血流を体の中心に集めようとするため、手足などの末端部分に血液が行きわたらず冷えてしまうのです。低体温ではない人の中にも冷え性にお悩みの方がいるのは、このような仕組みがあるからです。
■食事面
–冷たいものは控えめに-
暑くなると、どうしても冷たいものが美味しく感じます。けれども、冷たいものを食べて体の中心を冷やしてしまうと下がった体温を元に戻そうと体が働き、前述のとおり末端が冷えてしまうのです。暑くなってきたと思い、冷たい飲み物や食べ物を飲んだり食べたりしてはかえって不調を招いてしまいますので、ほどほどにしましょう。
–基本はバランス-
冷えを改善に導く基本はバランスのいい食事をとること。炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素をバランスよく摂ることが基本です。その中でも、かぼちゃや植物油に多く含まれるビタミンEは血行を促進します。食材には体を冷やすもの、温めるものがあります。冷えを感じる時は、体を冷やす食材を温かくして食べたり、体を温めてくれる食材を積極的に摂ることで体内を温めることができます。しょうがや唐辛子はその代表格。しょうがに含まれるジンゲロールや、唐辛子に含まれるカプサイシンには血行を促して体を温める効果があるのです。
–おススメ料理-
◇かぼちゃのそぼろ煮
ビタミンEが豊富なかぼちゃ。油で炒めて煮るのがおすすめです。
◇豚しゃぶピリ辛中華だれ
しょうがに豆板醤、ねぎを加えた中華だれを豚しゃぶにかければジンゲロール、カプサイシンのダブル効果で体が温まります。
今の時季女性は1年を通して冷えが起こりやすいと言われています。冷えの仕組みを理解して食事も味方につけて、春先も健康的にお過ごしください。
参照:
栄養の基本がわかる図解辞典(成美堂書店)