二十四節気に合わせて心と体を整える“立春”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第43回は「立春(りっしゅん)」です。

2月4日~2月18日頃、二十四節気ではこの立春から季節が始まります。陰陽五行学で春の五官は“目”とされることから、この季節は目の病になりやすいと言われています。五臓は肝臓。六腑は胆。色は青または緑。味は苦味です。肝臓は栄養素の合成、血液の解毒・浄化を担っているいわば人体の化学工場。冬の間貯めこんだ栄養や余分な脂肪や老廃物を春は心機一転、新陳代謝を活発にして解毒します。春は解毒(デトックス)の季節なのです。

その解毒の主役が「肝」。現代は飽食の時代であり、食品添加物や化学物質などの影響で肝には大きな負担がかかっているとされています。加えて、肝はストレスを受けやすい器官と言われており、春先の環境の変化、仕事や人間関係のストレス、花粉などのアレルギーストレスで肝は大きなダメージを受けやすい状態にあります。そして肝臓の状態がとくに影響しやすいとされるのが「目」。目は顔の中でも特に多くの血液を必要とする器官で、毛細血管がびっしりと張り巡らされています。そのため肝臓の働きが鈍ると、目に健康な血液が充分に行きわたらなくなり、結果として疲れ目やかすみ目、視力低下、ドライアイといった症状が現れてくるのです。また、白目が血走ったり、目のまわりのクマやシワも出やすくなるそうなので、高級なアイクリームでシワ対策をしたり、コンシーラーでクマを隠すことよりも、まずは肝のケアが優先かもしれませんね。

では肝臓を疲れさせないためにはどうすればよいのでしょうか?一般的にはアルコールはほどほどに、暴飲暴食を控え、タウリンを多く含む食品を食べることが良いと言われています。タウリンを多く含む食材はしじみ・あさりなどの貝類やイカ・タコです。もちろんレバーやくるみも血の巡りには欠かせません。春の食材として知られている「ふき」「フキノトウ」「セリ」「うど」「筍」これら苦味のある食材たちも解毒作用に優れ、肝の働きを助けてくれます。また、オーバーヒートしてしまった肝の熱を冷ます効果もありますのでぜひ料理に摂り入れてみてください。山菜が手に入りにくい場合はセロリがおすすめ。セロリは鎮静作用があり、肝の高ぶりを冷ます効果も期待できます。

もちろん目を労わる食材も大切です。ビタミンAやビタミンB1、B2、アントシアニンを含む食品を積極的に摂りましょう。ほうれん草やにら、ブルーベリーなど緑や青色の食材が必要です。

春は「血が騒ぐ」「落ち着かない、」と言われますが、肝がオーバーヒートしているせいかもしれません。旬の食材はもちろん、色の食材を意識して摂ることで自然と季節の不調に対応できるようになっているのが、中医学の面白いところ。二十四節気を意識して、身体と心のケアをしていきましょう。

レバーひじき煮

レバーひじき煮

<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>

参考 「からだに効く 和の薬膳便利帳」武鈴子

「二十四節気に合わせ心と体を美しく整える」村上百代

「横山内科HP」WEB

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