春のお彼岸、秋のお彼岸

少しずつ春の気配を感じる3月。
春のお彼岸の時期でもあります。
お彼岸には春と秋と2回ありますが、それぞれの時期や意味合いについてご存じでしょうか。


お彼岸の時期は?
春のお彼岸は「春分の日」を中日として前後3日間、秋のお彼岸は「秋分の日」を中日として前後3日間、計7日間がお彼岸の期間です。仏教では、この期間にお墓参りをしてご先祖様を供養するのです。


八節における位置づけは?
日本は四季がはっきりしている国です。その季節を8つに分けて名前を付けたものを「八節」と呼び「立春」「春分」「立夏」「夏至」「立秋」「秋分」「立冬」「冬至」が八節に当たります。この八節の中で春分と秋分は、昼と夜の長さが等しくなる日です。太陽が真東から登って真西に沈むこの時は、彼岸(あの世)と此岸(この世)が一番近くなる日と仏教では考えられていて、ご先祖様の供養をするようになったと言われています。


行事食は?
春のお彼岸には「ぼたもち」を、秋のお彼岸には「おはぎ」をいただきます。この二つはどちらももち米をあんこで包んだもの。ぼたもちは「牡丹餅」、おはぎは「お萩」と書き、どちらもその季節のお花に由来しています。昔は小豆の皮が柔らかい時期に作るおはぎは粒あん、皮が固くなり取り除いて作ったぼたもちはこしあんだったそうです。今では通年を通して状態の良い小豆が手に入るので、粒あん、こしあんの定義はなくなっています。形に関しても、ぼたもちは牡丹の花の形をイメージした丸型、おはぎは俵型であるという説もありますが、これに関しても地域によって様々なようです。

お盆との違いは?
お墓参りに行く風習がある期間には、お彼岸の他にお盆があります。お彼岸は彼岸と此岸が通じやすくなる日と前述しましたが、お盆はご先祖様の霊が帰ってくると言われており、お墓参りをするだけでなく、ご先祖様をお迎えする風習があります。
この春は、それぞれの日の意味や行事食についてご家族と話しながらお墓まいりなどされてみてはいかがでしょうか。

(オフィシャルメンバー:戸根みちこ)

参照:
日本の伝統文化 和食(特別堅牢製本図書)
日本人の春夏秋冬(小学館)

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