ひな祭りの器

ひな祭りの器のひとつに「貝合わせ」というものがあります。

お箸置きにしたり、ひなあられを入れたりと、その使い方はさまざま。

ですが本来は器でなく、平安時代からある日本の遊びです。

2枚貝のはまぐりは、同じ貝でないと2つがピタリと合わないところから、その模様や色をたどって各々の対の貝を見つける遊びでした。

江戸時代になると貝の内側に金箔を貼り、蒔絵を描いて、

美しい「貝合わせ」が作られました。

対になる貝には同じ絵や同じ模様、意味の繋がる文字などが描かれ、高級な玩具として使用されます。また、対になる貝殻は世界中でたったひとつしかないことから「夫婦和合」の象徴として婚礼調度品となりました。そして婚礼行列の際、最初に運ばれると新婦から新郎に贈られたと言われています。

2枚貝の対になる貝は、たったひとつだけ。

そこから遊びを見つけたり婚礼調度品にするという発想が、平安時代から受け継がれて今があることを知ると、まだまだ未知の世界があること、知識として学び、親として子に繋いでいかなければならないことが沢山あるんだろうと感じます。

参考文献:開成町瀬戸屋敷 資料

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