二十四節気に合わせて心と体を整える“芒種”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第3回は「芒種(ぼうしゅ)」です。

カマキリが生まれ、蛍が飛び交い、梅の実が熟して色づく6月6日~6月20日頃を指す「芒種(ぼうしゅ)」。しとしとと情緒のある雨とともに梅雨が始まります。

東洋医学の根本思想となる「陰陽五行」には、世の中を陰と陽に分け、この世にあるものを木火土金水の5つに分類するという教えがあります。その中でも夏は「火」にあたり、機能と気質を示す「心火」とも呼ばれます。春に芽生えたものが繁茂し、実りをつけるのが「夏」。今までの自分から抜け出して脱皮をすることが5月だとすると、6月は精力的に成長・業績アップがキーワード。発展・成長に適したタイミングだと言えます。また、夏は芸術や文化、楽観的、自由奔放という意味を持ち、自由気ままに過ごす時期でもあります。。この時に自分自身を思いっきり開花させるためには、他人の意見に流されず、自分の思うままに発信していくこと。それが人の心を打つことに繋がります。

そんな夏におすすめしたい、摂るべき食材の代表は「きゅうり」です。きゅうりは、五行でいうところの心火(しんか)に属し、熱を抑え利尿作用があります。食べることでの水分補給にはもちろん、夏のほてりを内側から改善します。例えば、きゅうりパックとして外側から肌に潤いを与えたり、熱を持った部分の炎症を抑えるなどさまざまな効果が期待できます。むくみにも良いので、夏の初めにありがちなむくみ対策にもなります。

そしてもう一つ注目したい食材が「らっきょう」。らっきょうは気や血の巡りを良くするといわれており、冷え性で悩む人や気分が晴れないときにオススメです。冷房による乾燥や梅雨のじめじめによる気の滅入りの改善を期待できます。また散血作用があるので、ケガの後に食べると早くあざが治るようです。肌を見せる服装が増えてくるこれからの季節だからこそ、アザのないキレイな肌でありたいですよね。

そしてラストが「蕎麦」。蕎麦に含まれているルチンという成分には血管収縮作用・毛細血管の透過抑制作用・毛細血管壁を強くする効果が期待できるといわれており、むくみやのぼせ、うつの改善に加え、イライラを緩和してくれる作用があるとされています。

汗をたくさんかいてほしいこの時季、毛穴が閉じて汗が出にくいと、肌トラブルも起こります。さらに、熱が内側にこもることで内臓炎症を起こす、肝臓が腫れやすくなるなど、体内にこもった熱で抵抗力が落ちてしまうことも。風邪や口内炎、動悸・息切れの原因になることもあるので、身体に熱がこもらないよう、しっかりと汗をかきましょう。身体の奥から汗を出し、本格的な夏の到来に向けて準備しましょう。

【出典】
「二十四節気に合わせ心と体を美しく整える」 著者:村上百代

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