二十四節気に合わせて心と体を整える“小暑”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第53回は「小暑(しょうしょ)」です。

7月7日~7月22日の小暑は、梅雨が明けて少しずつ暑さが本格的になる季節です。今回はいわずと知れた健康食材「トマト」。〇〇に効く食材と問われると、答えは大抵「トマト」になるという笑い話もあるくらいです。トマトの健康効果を綴ったら、きっと何万文字にもなることでしょう。

今回は二十四節気に基づき、薬膳の観点からトマトについて紹介したいと思います。まず、トマトは涼性です。トマトは身体を冷やす食材とされているのは皆さんよく耳にするかと思いますが、正確には体内にこもった熱を冷ます働きがあるという意味です。トマトは夏の野菜。まさに理に適った旬の食材です。

筆者は野菜の中でトマトが1番好きなのですが、寒くなると途端に生のトマトを食べたくなくなります。シーズンオフの赤みの冴えないトマトにも魅力を感じることも。また気温が上がるとトマトを生で食べたくなるのです。身体の内側の声を聞くように心掛ければ自ずと食べたいもの食べたくないものがわかってきて面白いですよ。

トマトに含まれる多くの水分は、のどの渇きを潤し体液を補う働きがあり、さらにビタミンやミネラルも豊富ですので、汗をたくさんかいたときにぜひ食べていただきたい食材です。さらにトマトに含まれるクエン酸などの有機酸は疲労回復に効果が期待できるので夏の疲れにもピッタリです。

そしてトマトといえば「リコピン」。リコピンは抗酸化作用が強く、細胞の酸化や老化防止に有効だといわれています。日焼けによるシミしわ対策にもおすすめですよ。このリコピンを効果的に吸収する方法として推奨されているのが「玉ねぎやニンニクと一緒に油で加熱する」ことです。トマトは玉ねぎ・にんにくと相性抜群。薬膳の観点からも涼性であるトマトは、温性の玉ねぎ・にんにくと合わせて冷えすぎないようにバランスを取ることが良しとされています。

トマトは生食と加熱どちらでも味のよい食材であり、和洋中アジアどの国の料理にも使われます。また、赤い色は食卓に彩を与えて食欲を増進させます。

昔から「トマトが赤くなると、医者が青くなる。」という言葉がありますが、今年も暑い夏がきます。夏バテ防止から美容まで、この機会にトマトを積極的に食べてみてはいかがでしょうか。夏でも手足が冷たい冷え症の方、冷えによる胃腸虚弱の方は、トマトを加熱するか温性の食材と組み合わせて食べましょうね。

トマトを使ったレシピはこちら

・夏野菜のグリルマリネ

夏野菜のグリルマリネ

<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>

参考 「からだに効く和の薬膳便利帳」武 鈴子

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