桜餅の葉っぱ何のためについてるの?

かわいらしいピンク色が印象的な「桜もち」は、春の訪れを代表する日本の和菓子。春気分を味わえるお菓子として子どもから大人まで親しまれていますが、桜もちの葉を食べる・食べないで悩まれる方もいらっしゃるようです。桜もちの葉は食べていいのか、さらにどのような栄養があるのかご紹介します。

桜もちの葉は食べてOK!

桜もちにクルッと巻きついている塩漬けした桜の葉は、「クマリン」と呼ばれる天然香料が含まれています。このクマリンを大量摂取すると肝臓障害を引き起こす可能性があるとされるという情報から「桜もちの葉は食べない方がいい!」というウワサが広がったことにより「食べてはダメ」という意見が一部で登場しました。ですがこのクマリンは、化粧品や医薬品にも使用される成分であり、糖尿病患者の血糖や血中脂肪を低下される可能性も期待できることがわかっています。

毎日、何十枚も大量に食べなければクマリンによる肝毒性は、ほぼないといわれていますので、結論からすると「時々食べる程度の桜もちの葉は食べて大丈夫」ということになります。桜もちを販売している和菓子屋さんでも、葉っぱと一緒に食べることをおすすめするお店もあれば逆に葉っぱを取って食べてくださいとお伝えするお店もあることから、自分がおいしいと思う食べ方を選んでいただくのがベストです。



桜もちに葉がついている理由

なぜ桜もちが塩漬けした葉にくるまれているのか。ここには、「桜もちが乾燥させない」「桜もちにゴミやホコリがつかない」「桜の香りをつける」といった理由があります。さらに、塩漬けした桜の葉で巻くことで、和菓子に雑菌が繁殖させにくい状態になるともいわれています。塩っ気のある桜の葉が、ほどよく桜もちに染み込んで、逆においしさを引き立てている部分もありますので、昔の人たちが考え出した「おいしく食べる工夫と知恵」といえるでしょう。

桜の葉の栄養は?

塩漬けにした桜の葉は、100gあたり60kcalほど。たんぱく質が約3.1g、脂質が約1.0g、炭水化物が約9.6g、ナトリウムが約7.32gとデータが出ているようですが、桜の葉1枚はたった0.1gほど。1枚食べたところで、ほぼカロリーなしです。

逆に、大量に食べると肝臓障害を引き起こす可能性があると説明したクマリンは、少量であれば血液をサラサラにする働きや抗菌作用などが期待されます。クマリンは一部のシナモンに含まれている成分として知られていますので、食べ過ぎなければ健康にうれしい栄養素というわけです。とはいえ、アレルギーなど身体に合う・合わないが出る可能性もありますので、食べて違和感を感じた場合はやめておくのがベター。そして何より、自分自身が「おいしい!」と感じることが大切です。食べる・食べないで迷われた時は、周りの情報に左右されず、自分の中の「おいしい」を基準に桜の葉と一緒に食べるか食べないかを判断してみてくださいね。

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参考:【Eatreat】

   【全国和菓子協会】 

   【PUBLIC RELATION OFFICE】

   【食品安全委員会】 



公開日:2022.3.9
更新日:2024.8.29
更新日:2024.10.31
更新日:2024.12.3

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