災害ごはん

ここ数年、自然災害による心傷む被害が増えています。2019年に起きた季節外れの台風「ハギビス」は、筆者の住む地域にも爪痕を残しました。その経験から災害について考えることも多くなったのも事実。今回は「災害ごはん」について書きたいと思います。


避難生活において、食事・睡眠・衛生面は大きな問題です。快適とは言えない状況で何日も過ごさなければなりません。避難所での避難以外に、自宅が崩壊しておらず居住可能であれば、「在宅避難」と呼ばれる自宅で過ごすことが推奨されています。そうなった場合、電気・ガス・水道のライフラインが止まっていても数日間過ごせる備蓄が必要になります。

 
在宅避難の良い点は「普段の生活が激変しない」「プライバシーが確保されている(ストレスの軽減)」「持病やケガで特別なケアが必要な場合の対処が可能」「ペットの世話ができる」などあります。


ですが、もしライフラインが止まってしまったら、食事は冷凍冷蔵のものから消費していきましょう。腐りやすいものから食べていくしかありません。備蓄の非常食はそもそも日持ちするので、急いで食べる必要はないのです。非常食と聞くと、昔は乾パンと缶詰のイメージでしたが、今日では容器の保存技術が進歩し、さまざまな保存食が販売されています。
お湯(水)を使わなくても食べられるもの、お湯(水)を使わないと食べられないもの、これらは両方用意しましょう。近年は「ローリングストック」と呼ばれる普段から口にするインスタント食品を多めにストックしておき、普段から消費しながら補充していく方法が一般的です。特別な物でなく、ツナ缶やトマト缶、野菜ジュース、インスタントラーメンやインスタント味噌汁、カップスープも立派な非常食なのです。そこで大事な鍵になってくるのが「水」と「カセットコンロ」。水とカセットコンロさえあれば、大抵の料理はなんとかなります。「高密度ポリエチレン袋」という食品用の袋があれば、もはや無敵?!です。(高密度ポリエチレン袋は、湯せん調理可能と記載されているものをおすすめします。)

水、高密度ポリエチレン袋、カセットコンロがあればお米も炊けるし、焼きそばやパスタも食べられます。肉や魚の調理もできてしまうのです。袋のまま食べれば食器も汚れません。避難生活が2~3日続いた場合、想定される食事は6~9回ですので、正直なところ乾パンなどの非常食だけで乗り切るのはイヤですよね。ローリングストックを利用して、少しでも調理ができるものを揃えておきましょう。

 
災害はいつ訪れるかわかりません。災害ごはんもシミュレーションが大切です。いざというときに慌てないよう「水」「高密度ポリエチレン袋」「カセットコンロ」を取り入れた調理を練習してみてはいかがでしょうか。

(オフィシャルメンバー:滝野香織)


参考 「東京防災」防災ブック 東京都防災ホームページ

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