おしゃれFOODIEがいく〈植物性乳酸菌〉

FOODIE(フーディー)とは、美味しい時間を楽しむことに積極的な人たちを指します。
レストランがお客を選ぶ時代はもう終わり。いつ、どこで、何を、誰と、どのように食べたいかは自分で決める!そんなFOODIEがこれからの食文化を作り出す未来も、そう遠くはありません。

そんなFOODIEが注目する新しい食文化について、今回のキーワードは「植物性乳酸菌」です。

2020年は、ウイルスに侵されて半分以上を過ごしてしまったように思います。そんなウイルスに打ち勝つために「免疫力を高める」という言葉もたくさん耳にするようになりましたが、免疫力を上げるのに一番大切なのは「睡眠・栄養・運動」です。そしてその免疫をつかさどる役割を担っているのが「腸」なのです。

腸には膨大な数の腸内細菌が棲みついており、善玉菌・悪玉菌・日和見菌と大きく分類されます。人間にとって良い働きをするのが善玉菌で、その代表的なものが「乳酸菌」。乳酸菌とは、ブドウ糖を原料として多くの乳酸を生成する細菌の総称です。乳酸菌には、動物性と植物性のものがあると一般的に理解されていますが、菌目線ではそのような分け方は適切ではないようです。ですが、「動物の乳の中に存在していたものを動物性乳酸菌」「野菜や豆、米・麦などの食用植物素材に存在していたものを植物性乳酸菌」と分けています。

乳酸菌が食品に含まれる糖を分解して乳酸を作り出すこと=乳酸発酵で、食品の味や香りを変化させ、独特のうまみを生み出し、食品の保存性を向上させるなど、人間にとって有益なものを生み出しています。(無益な発酵は腐敗になります)

植物性乳酸菌は動物性乳酸菌に比べて、高塩濃度や栄養分のない過酷な環境でも生き抜く強いパワーを持っています。それに対し動物性乳酸菌は温かくて栄養豊富で安定した乳の中に存在するので、変化には弱いのです。漬物を例に考えてみてください。高塩濃度なのに発酵していますよね。植物性乳酸菌は胃酸にも強く、生きたまま腸に届くものも多いのです。

日本人は昔から植物性乳酸菌の力を借りた発酵食品を多く摂ってきました。醤油・味噌・日本酒・酢・漬物…と日本食の本体である面々は植物性乳酸菌による発酵食品なのです。日本のみならず世界にもたくさんの植物性乳酸菌による発酵食品はあります。韓国のキムチ、中国のザーサイ、インドネシアのテンペ、インドのチャツネ、タンザニアやケニア・マサイ族の発酵乳・ドイツのザワークラウトやサワーブレッドなどがあります。いわゆる漬けものは野菜から作られますよね。野菜=食物繊維と一緒に乳酸菌をとることで、より腸に良い働きをしてくれるのです。

例えば韓国の水キムチをご存知ですか?唐辛子を使わないので辛くなく、冷麺の汁になる透明な汁のキムチです。焼肉屋さんのキムチ盛り合わせにたまに辛みのない、少し甘い浅漬けのようなものが盛り合わさっていたりしませんか?それが水キムチです。赤いキムチやぬか漬けの20倍の乳酸菌が含まれる、最強の植物性乳酸菌発酵食品なのです。簡単に作れ、お子様も食べられるので、ぜひ毎日の食事に取り入れてみてください。腸内環境が改善され、免疫力アップが期待できると思います。

(オフィシャルメンバー:滝野香織)

 参考
「東京農業大学「食と農」の博物館」

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