女性を助けるフェムテック

「フェムテック」という言葉をご存知でしょうか。「フェムテック」とは「Female+Technology」から作られ造語で、女性が抱える健康問題や課題をテクノロジーで解決できる商品や製品、またはサービスのことを示します。

これまで日本では、女性特有の身体の不調を内なるものとして扱い、個人自身で解決すべきものというような風潮でした。身近なところだと、生理痛や月経前症候群による不調は、仕事を休む理由として声を大にして言えるものではありませんでしたし、不妊治療の助成も少なく、また不妊治療による仕事への影響も会社がフォローしてくれることは少なかったように思います。

しかしこれらに目を向けることで、女性がより声を上げやすい社会になり、ひいては経済・政治におけるジェンダーの不平等の解決に繋がる可能性を秘めているのです。

テクノロジーの進化により正確な情報をほぼ時間差なく集められるようになり、そこから効率的で根本的な解決策を導き出せるようになったとされる今日、フェムテックは一気に加速しています。スマートフォンの普及により、スマホのアプリで月経周期の管理を行う女性が増え、月経についてのデータが集まることで個人が抱える悩みも明らかになってきたと聞きます。アメリカのリサーチファームFrost&Sullivanの調査によると、フェムテックは2025年までに5兆円規模の市場になると予測され、注目の分野ともいわれています。なにせ、人口の半分は女性なのですから。

 

 フェムテックの例は、月経周期の管理を行うアプリをはじめ、生理周期に応じで生理用品が届くサービスや吸収型サニタリーショーツの開発、骨盤底筋群を鍛えるアプリ、不妊治療のタイミングを考えるために卵子の数や状態を調べるもの、卵子凍結、女性のデリケートゾーンケアのアイテム、女性特有のガン検査などたくさんの種類がすでに存在しています。

 対面ばかりが治療の提供ではなくなるとされているこれからの時代。医療現場に行けない環境であっても、平日は仕事でなかなか病院を訪れることができない方も、オンラインで相談や治療ができたらどれだけ良いでしょう。ウエアラブル端末や在宅検査キット、デジタル診断装置の増加・・・、これらは近い将来に実現する見通しだそうです。

 

 フェムテックに関する認知の広がりが、女性特有の体の不調を男性に知ってもらうきっかけになり、今まで言い出しにくかった不安や問題を明らかにしていけたら、きっと社会は変わります。女性が窮屈な思いをしない、そんな社会作りがもう始まっているんですね。



レシピ:にら納豆の包み焼きはこちら

参考:「IDEAS FOR GOOD」WEB

   「毎日新聞」

   「日本経済新聞」

オフィシャルメンバー:滝野香織

タグ

    オススメコラム・特集

    このコラムに関連するコラム