2021.6.28UP
二十四節気に合わせて心と体を整える“夏至”
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第99回は「夏至(げし)」です。6月21日~7月5日頃、2021年の夏至の日は6月21日(月)です。夏至は四季をバイオリズムで描いたときに最も頂点となる陽気盛んな時期になります。
今回は、「夏至祭」をテーマにお届けします。日本では夏至だからといって特に何かするというわけではありません。もしかしたら地域的な風習が土地によってあるかもしれませんが、「冬至だから南瓜を食べる」のように万人が周知しているイベントはありませんよね。
ところが、ヨーロッパを中心とした国や地域では夏至をお祝いする「夏至祭」大きなお祭りが古くから根付いています。キリスト教圏では、洗礼者ヨハネの祝日が夏至の頃と重なることから、大きな祭りに発展したようです。
中でも1番有名な夏至祭はスウェーデンの「ミッドサマー」。2019年にアメリカとスウェーデンの共同制作で「ミッドサマー」というホラー映画が作られたのが記憶に新しいです。映画はさておき、スウェーデンの夏至は、長く暗い冬が終わり、明るい陽射しがまぶしい季節の到来を喜びます。そんなミッドサマーのお祝いに欠かせないのが、マイストング(ミッドソンマルストング)。
白樺の葉と季節の野花で飾られた長いポールを立てて農作物の収穫を祝い、子孫の繁栄を願うお祭りです。ポールは小振りなものから大きいものだと20mを超えるものもあるのだとか。若者が中心となり、男性たちの掛け声と演奏に合わせて、ゆっくりと立てていくそうです。それが完成すると、ポールを中心に大人も子どももみんなで手をつなぎ、輪になってダンスを踊ります。定番は「カエルのダンス」。カエルの真似をして「クワックワ」と飛び跳ねて踊ります。雨が降ってもレインコートを着て踊り歌うのですから、スウェーデン人にとってこの夏至祭がどれだけ大切なものなのかわかります。
そして夏至祭の食事で欠かせないのが「新じゃが」。スウェーデンはじゃがいもが主食で、日本の新米と同じような感覚で、楽しみと同時に感謝していただくものです。新じゃがはディルと一緒に茹で、ニシンの塩漬けや酢漬け、サワークリームと共にいただくそうです。ほかにサーモン料理も並びます。デザートはイチゴと決まっており、生クリームを付けたりイチゴのケーキを食べます。飲み物はスナップやヌッベと呼ばれるアルコール度数30度を超える蒸留酒と決まっています。
日本でスウェーデンの夏至祭を経験することはなかなかありませんが、これから始まる夏をわくわく楽しみにする意識を持つのも良いと思いますよ。
レシピ:スウェーデン風サーモンスープはこちら
参考:「SCANIA」WEB
「北欧雑貨アットテリア」WEB
オフィシャルメンバー:滝野香織