二十四節気に合わせて心と体を整える“小雪”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第109回は「小雪(しょうせつ)」です。

11月22日~12月6日頃、だんだんと寒さも本格的になって、北風が吹くたびに冬の訪れを感じずにはいられません。

今回のテーマは「亜鉛は大事」です。亜鉛は人間に必要とされるミネラル16種に含まれ、体内で作ることができないため食事から摂取する必要がある栄養素です。また亜鉛は汗に多く含まれるので、汗をかくと体外に流出してしまします。亜鉛の食事摂取基準は成人男性で1日10mg、女性で8㎎。

そんな亜鉛を多く含む食材の代表は、ずばり牡蠣です。100gで13.2㎎の亜鉛が含まれる牡蠣は、一般のスーパーマーケットでは冬場しか並びません。ちょうど今の時期は牡蠣が売られているので積極的に食べたいですね。ほかには、鶏レバーが100gあたり3.3g、豚レバーが100gあたり6.9g、牛赤身肉100gには4.4g、卵1個0.8㎎といった食材に含まれます。もちろん他の食材にも含まれますが、微量というのが残念なポイント。欧米的な食事に比べて和食の献立は亜鉛が少ない傾向にあります。実際先進国の中で日本だけが亜鉛不足といわれているくらいなのですから。また、亜鉛は年齢やストレスによって吸収が落ちてしまい、アルコールを摂取すると通常よりも多くの亜鉛が消費されてしまいます。

では、なぜ「亜鉛は大事」なのでしょうか。以下のようにまとめてみました。

  1. 味覚を正常に保つ
  2. 抗酸化作用…体内のビタミンAの代謝を促す
  3. 免疫力の向上…粘膜の保護、白血球にも含まれる、外部から侵入してきたウイルスと戦うT細胞に関わる
  4. 成長・美肌・美髪…たんぱく質と合わせて亜鉛を摂ると、全身の新陳代謝が活性化される
  5. 生殖機能の改善…精子の形成には必要不可欠
  6. うつ状態の緩和…神経細胞に関わる神経伝達物質を作るのに必要

このように挙げると亜鉛がどれだけ大事かわかりますよね。亜鉛の腸管吸収率は30%程度。吸収を良くするためにはビタミンCを一緒に摂取するのがおすすめです。牡蠣にレモン、鶏レバーに生長ネギと、美味しい食べ合わせには隠された栄養効果があるというわけです。

 

今回は気軽に作って食べられる鶏レバーのレシピを提案しました。牡蠣が美味しい季節には牡蠣をたくさん食べるのと同じくらい、レバーをもっと日常的に食べてみてください。それでも毎日というのは、正直難しいと思います。亜鉛に関してはサプリメントの併用するのも方法のひとつ。すべてサプリメントに頼るのではなく、あくまで補助的にです。

亜鉛の必要性を知って、周りの人にも知らせてあげられると良いと思います。ウイルスとの戦いはしばらく続くでしょうから。

「鶏レバーの葱塩グリル」レシピはこちら

参考:「日本人の食事摂取基準」厚生労働省

   「長生きの切り札!亜鉛チャージ健康法」平澤精一・岸村康代

   「グリコ」HP



オフィシャルメンバー:滝野 香織

タグ

    オススメコラム・特集

    このコラムに関連するコラム