二十四節気に合わせて心と体を整える“冬至”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第111回は「冬至(とうじ)」です。12月22日~1月7日頃、昼が最も短く、夜が最も長い「冬至」。太陽のパワーが1年で1番弱くなる日であり、翌日から新しい太陽が生まれると考えられる節目の日ともいわれています。

今回のテーマは「世界の冬至文化」です。冬至は太陽の動きによるものですから、もちろん世界中におとずれます。言い換えれば、世界中にお祭りや行事があるといえるでしょう。太陽のパワーが1年で1番弱くなるため「死に最も近い日」として、昔から恐れられてきたほどです。こうした考えがある反面、この冬至を境に陽の気が高まっていくことから「一陽来復」と呼ばれる考えが根付き、お札が配られたり、禊の意味合いからゆず湯に入ったりします。日本では南瓜や「ん」の付くものを食べますね。今回のコラムでは世界の冬至について、まとめてみました。

〇北欧「Yule(ユール)」

キリスト教が伝わる以前から北欧に伝わるお祭り。北極圏の国々では、冬至前後は日中でも太陽が昇らない「極夜」が続きます。冬至の頃に昇る太陽はとても神聖で貴重なものですので、人々は太陽の復活を願ったそうで、これがユール祭の始まりとされています。クリスマスケーキで有名なブッシュドノエルの始まりもユールにあります。

〇中国「冬至節」

「一陽来復」は古代中国の「易経」に出てくる言葉として知られています。冬至は新年のごとし、と中国は古くから冬至の行儀や習慣が多くあるようです。中国でも日本と同じように冬至に食べるものがあり、餃子や冬至団子がその代表例。地域によって食べるものが異なるそうですが、贈り物をすることもあるのだとか。冬至が近くになると、人々は冬至の話で盛り上がるそうですよ。

〇ブラジル「フェスタジュニーナ」

「フェスタジュニーナ」は直訳すると「6月祭」ですが、南半球は冬なので冬のお祭りです。収穫と冬至、キリスト教の3聖人の祝日を一気に祝う大きなお祭り。カイピーラという田舎者の格好をし、焚火を囲ってフォークダンスをします。トウモロコシの収穫を祝うので、トウモロコシ料理が並ぶそうですよ。国外に有名な祭りではないですが、国内では約1か月も楽しむ大きなお祭りなのです。

〇イラン「ヤルダ・ナイト」

イランの風習の中でも最古といわれるのがこちら。古代イラン人は、ヤルダを境に昼の時間が日に日に長くなり、明け方の神々しい光の放射が強まることを信じ、それを闇に対する光の勝利であると考えたそうです。彼らは秋の最後の夜をミトラ(光の女神)の生誕として祝福し、“太陽が生まれた夜”と呼び、盛大な式典を執り行うそうです。命の輝きを表すとされる赤いザクロやスイカ、ナッツ、お菓子、果物の盛り合わせといったものを食べるそうです。

 日本では南瓜と柚子湯……というくらいで、何かに思いを寄せたりすることはあまりありませんが、世界の当時をみると長い夜を家族で過ごし、故人の話をすることが多いようです。今年の冬至は家族と古い話をしてみたり、長い夜を楽しむべく、美味しいものや楽しいことを準備してみるのはいかがでしょうか。

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参考:「世界の民謡・童謡」WEB

  :「中国網」WEB

  :「たびこふれ」WEB

  :「niccco公益社団法人 日本国際民間協力会」WEB

オフィシャルメンバー:滝野 香織

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