二十四節気に合わせて心と体を整える“白露”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる、第104回は「白露(はくろ)」です。

9月8日~9月22日頃、日中はまだ夏のような日が続く白露の朝晩は、涼しげで秋の足音が聞こえてくる季節。そんな今回のテーマは「気管支をいたわってあげよう」です。

薬膳の世界では「六淫邪気(ろくいんじゃき)」という言葉があり、自然界から身体に侵襲する6種の病因(風邪・寒邪・燥邪・湿邪・暑邪・火邪)の総称を指します。燥邪に当たる秋は、乾燥して冷えた空気が口鼻から肺に侵入し、体液を乾燥させて皮膚・毛髪・鼻・のどなど「穴」を乾燥させて働きを悪くし、免疫力を下げてしまうといわれているのです。

特に潤いを好む肺は燥邪による悪影響を受けやすく、その結果、乾いた咳や喘息の症状が現れます。また便秘になりやすく、痰がからむなどの症状が現れやすいのも特徴です。

肺や気管支が乾燥して起こる咳は、渇いたから咳やのどの痛み、いがらっぽさを伴うことが多く、痰(たん)はねばりっぽく、のどに絡みつくような感覚です。

そんな時におすすめしたいのが、肺や気管支を潤してあげること。肺や気管支を潤す食材の代表はレンコンと山芋。肺にこもった熱を和らげ、乾燥による肌荒れや下痢、便秘といった腸のトラブル回避にも良いとされています。

他に、大根やかぶをすりおろし、ハチミツを加えて作る汁物は昔から咳が出たときの特効薬といわれていました。喉の痛みやいがらっぽさを和らげてくれる効果が期待できるので、旬の食材がもつパワーには本当に驚かされます。

また、果物なら梨がおすすめ。中国では2千年以上前から乾燥によるのどの痛みを和らげてくれる果物として宮廷の庭園で栽培されていたといわれています。当時の都、長安はとても乾燥している地域だったとされていますので、梨の潤す薬効が期待されていたのでしょう。日本人もそれにならい、秋の乾燥に梨で潤いをとっていたようです。

そのほとんどが水分である梨は、逆にいえば冷えに悩んでいる人や妊婦さんは食べ過ぎ注意です。のどや気管支のケアについて、別のコラムでも書きましたが、梨は余分な水分を排出する利尿作用に優れているので、水滞系の咳や痰にも有効です。水滞系の咳や痰とは、主に風邪の引き始めに起こる湿った感じの咳、透明でサラサラした痰のですので、風邪の引き始めには、ぜひ梨を食べてみてください。梨が出回る時期になると、咳や痰のトラブルが起こりやすくなる。自然の摂理を感じます。

秋は乾燥との戦いです。外側からの処置ももちろん有効ですが、旬の食材を使って身体の内側からケアしていくことも大切。You are what you eat.あなたは食べたものでできているのです。

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参考:「日本薬学会」WEB 

   「からだに効く和の薬膳便利帳」武鈴子

オフィシャルメンバー:滝野香織

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