プチ昼寝(パワーナップ)のすすめ

昼ご飯を終えてしばらくすると、急激に眠くなり底なし沼に吸い込まれるかのような抗えない睡魔と戦うことはありませんか?

そもそも食事後の急激な睡眠欲は(糖尿病の可能性のある人などは別として)人間の生理現象であり、多くの人が体感しています。大抵の人はその眠さに打ち勝つ方法として、眠気が去るのを待つくらいしかありませんが、眠気が起きる理由はさまざまです。実際に睡眠不足や炭水化物を多く摂りすぎると、その眠気はより強烈であることがわかっています。

日本には昔から「午睡」という昼寝を指す言葉がありますし、スペインには「シエスタ」という昼寝文化があります。今回は昼寝について書いてみたいと思います。

みなさんは「パワーナップ」という言葉をご存知でしょうか。コーネル大学の社会心理学者ジェームス・マース氏が提唱した“戦略的昼寝”のことです。昼寝=怠惰、というイメージではなく、午後の仕事の効率アップにパワーナップをうまく使うことは、今や欧米では常識であり、日本でも大きな企業で推進され始めています。パワーナップのメリットは以下の通り。

・頭がすっきりし生産性が上がる

・脳のオーバーヒートを防げる

・体力の回復ができる

・ストレスの軽減

・記憶力の向上

・活動的になる

・創作意欲を上げる

いかがでしょう。だらだら眠気と戦うよりもずっと効率的なのです。では具体的にどのようにしてパワーナップをとればよいのでしょうか。昼寝を失敗すると頭痛が起こることがありますが、この昼寝の失敗による頭痛は片頭痛と緊張型頭痛が考えられます。目の奥や頭の側面に鋭利な強い痛みを伴う片頭痛は、睡眠によって副交感神経の働きが活発になり頭蓋骨内の血管が拡張し起こります。緊張型頭痛は後頭部下の方からだんだん頭全体を締め付けられるような鈍痛が広がってくる頭痛です。血流の滞りが原因で起こると言われていますので、昼寝の姿勢が悪く筋肉が緊張し、こめかみ辺りの筋肉である側頭筋、肩甲骨辺りの筋肉である僧帽筋などがこわばって固くなり起こります。肩凝りの原因にも繋がりますし、ストレスで筋肉がこわばり頭痛を引き起こすこともあるそうです。

このような頭痛を避ける方法は長時間寝ないことです。パワーナップの適正時間は15分とされていますので長くても20分に止めましょう。そうすることで、副交感神経が出過ぎることなく、身体に負担もかからないので頭痛は防げます。そして大切なポイントは体勢です。横になってはいけません。体を横にしてしまうと身体が寝るモードに偏ってしまい、起きる時に苦労します。座った姿勢で寝る、というのがパワーナップのポイントです。机に突っ伏して寝るスタイルが一般的ですが、頭を下にすると片頭痛に陥りやすく、目の圧迫も良くないとされています。可能なら、頭を縦にしたまま座ったスタイルでどこかに寄り掛かるのがベストです。

また、カフェインの覚醒効果を利用することもできます。カフェインは摂ってから20~30分後に覚醒効果が出てくるので、カフェインを摂取してから寝ると起きる頃に覚醒しスムーズに起きることができます。最後に、パワーナップを行う際はスマホなどでアラームをかけることを忘れずに。15分後に起きるという意識をもって寝ると寝起きもスムーズです。日々の生活の中でパワーナップを取り入れて、午後の活動をより良いものにしましょう。

参考  「ショップジャパンのぐっすりラボ」WEB

「フミナーズ」WEB

「アンミンシュタイン」WEB

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