2019.11.13UP
日本酒を知ろう
前回のコラムでは日本酒の今について書きましたが、今回は日本酒の種類についてお届けしたいと思います。
まず、日本酒の表示に良く書いてある「特定名称酒」の区分について。
味や香りの4つの種類分けとともに解説していきます。
◎本醸造(ほんじょうぞう)酒(しゅ)(爽(そう)酒(しゅ)。軽快な香味ですっきり。淡麗辛口。)
使用原料は、米・米麹・醸造アルコール。精米歩合70%以下。
◎吟醸(ぎんじょう)酒(しゅ)(薫(くん)酒(しゅ)。華やかでフルーティーな香り。)
使用原料は、米・米麹・醸造アルコール。精米歩合60%以下。
◎大吟醸(だいぎんじょう)酒(しゅ)(薫(くん)酒(しゅ)。華やかでフルーティーな香り。)
使用原料は、米・米麹・醸造アルコール。精米歩合50%以下。
●純米(じゅんまい)酒(しゅ)(醇(じゅん)酒(しゅ)。お米のうま味とコク。どっしりとしている。)
使用原料は、米・米麹。
●純米(じゅんまい)吟醸(ぎんじょう)酒(しゅ)(醇(じゅん)酒(しゅ)×薫(くん)酒(しゅ))
使用原料は、米・米麹。精米歩合60%以下。
●純米(じゅんまい)大吟醸(だいぎんじょう)酒(しゅ)(醇(じゅん)酒(しゅ)×薫(くん)酒(しゅ))
使用原料は、米・米麹。精米歩合50%以下。
〇特別(とくべつ)純米(じゅんまい)酒(しゅ)(醇(じゅん)酒(しゅ)。お米のうま味とコク。どっしりとしている。)
使用原料は、米・米麹。精米歩合60%以下又は特別な製造方法。
〇特別(とくべつ)本醸造(ほんじょうぞう)酒(しゅ)(爽(そう)酒(しゅ)。軽快な香味ですっきり。淡麗辛口。)
使用原料は、米・米麹・醸造アルコール。精米歩合60%以下又は特別な製造方法。
このように全部で8種類に区分されますが、上記に振り分けた「◎・●・◯」のように3つに分けるとわかりやすいです。
「純米」という言葉が入っているものは「醸造アルコール」が入っていません。
「本醸造」よりもお米を磨いて仕込んだものが「吟醸」、その上が「大吟醸」。
「純米」よりもお米を磨いて仕込んだものが「純米吟醸」、その上が「純米大吟醸」。
さらに日本酒は絞り方や貯蔵方法などによっても味や風味が異なり、瓶にラベリングされていてその日本酒の系統が分かるようになっています。
■あらばしり
日本酒を絞る時の1番最初に出てくるもの。新酒の時期に出て、フレッシュな香りが特徴。微炭酸ですっきり。
■中取り
日本酒を絞る時、あらばしりの次に出てくるもの。
■雫酒(袋吊り)
酒袋を吊るして、酒の自重で1滴ずつ絞った高級なお酒。
■原酒
絞ったお酒を加水せずに瓶詰したもの。度数が高い。
■無濾過
脱色や香味の調整を目的とする「濾過」をしないお酒。絞ったままの味で、味が複雑。
■おりがらみ
絞ったばかりの濁ったままのもの。オリがあるままなのでコクがある。
■速醸仕込み
製造過程の酒母造りにおいて「乳酸」を添加する方法。淡麗。
■生酛仕込み
製造過程の酒母造りにおいて、壁や柱に天然に存在する「乳酸菌」を添加する方法。貴重な物で、味わいも複雑。
■山廃仕込み
生酛仕込み同様に乳酸菌を利用するが、山卸しという作業を省いたもので、濃醇な味わい。
■新酒、しぼりたて
出来上がったばかりのフレッシュな日本酒。
■生酒
通常2回行う火入れをしない。味は変わりやすく繊細。
■生貯蔵酒
生酒のままタンクに貯蔵して、出荷前に1度だけ火入れを行うお酒。春から夏に出回る。
■にごり酒
目の粗い布で絞られていて、白く濁っている。独特の酸味と甘み。
■ひやおろし
春から夏にかけて熟成し、秋に出荷される生詰め酒。1年で最も美味しいとされる。
日本酒はひとつの銘柄でも種類がいくつもあり、季節やさらにはその年によっても変わってくるので、表示を見て、シーンや好みに合わせて選べると良いですね。
参考 「おさけと」WEB