2019.11.13UP
夏の疲れをとる食事
厳しい残暑が続くと、なんだかダルい、疲れが取れない、食欲がない、といったいわゆる「夏の疲れ」を感じませんか?夏バテの主な原因は、強い疲労です。炎天下で行動することはもちろん、旅行をしたり、海やプールで泳いだりと夏場はいつもより体力を消耗するイベントが盛りだくさん。つい楽しいからと遊びすぎてしまえば当然のごとく疲れは溜まります。さらに!暑さに負けて食欲が減退してしまい栄養不足に陥りがちになるのがこの季節。しっかりと栄養を摂らないと体力は回復しません。この体力回復で重要となるキーワードが「栄養」と「睡眠」。
では夏バテを解消するためにはどうすればよいのでしょうか。
まず夏バテについて改めて考えてみましょう。夏バテとは食欲が落ちて体内のたんぱく質が消費していくのに供給が追いつかない状態を指します。夏は基礎代謝が高まるので、たんぱく質を多く消費します。そこで必要となる栄養素がビタミンB1。このビタミンB1がエネルギー代謝(血液中の糖分をエネルギーに変える力)に深く関わります。食欲が減退している残暑だからこそ、良質なたんぱく質とビタミンB1を効率良く摂取したいもの。良質なたんぱく質とは、体をつくっているたんぱく質(アミノ酸)と構造が似ており、体内で効率よく合成できるたんぱく質です。一般的に植物性たんぱく質よりも動物性たんぱく質の方が良質と言われています。
たんぱく質とビタミンB1を含む食べ物といえば「豚肉」。特にヒレやモモなどの赤身肉は脂肪分が少なく、肉の重量に対してたんぱく質が多いことが特徴。良質なたんぱく質とビタミンB1が豊富で、両方の栄養素を効率よく摂取できる食材です。
実際に調理するのであれば、豚肉と相性が良く、食欲増進効果を高めてくれるニンニクや生姜と合わせた、生姜焼きのような食べ方がおすすめです。冷しゃぶにして、たくさんの野菜と一緒に食べるとさっぱりとしていて食欲があまりないときでも食べやすいですよ。
たんぱく質、ビタミンB1に続く疲労回復成分といえば「クエン酸」。身体を動かしたとき、筋肉中につくり出される『乳酸』が体内で増えると、筋肉が収縮して疲労を感じるようになります。この乳酸を分解してくれるのがクエン酸です。このクエン酸が含まれているものを挙げるならレモンやオレンジなどの柑橘類や、お酢、梅など。どれもスーパーやコンビニで購入ができる身近なものです。すっぱいと感じるものは口の中がさっぱりするので夏バテ中の食欲増進にも繋がるのではないでしょうか。
まだまだあります、疲労回復を促してくれる食材!夏野菜のひとつ、トマトに含まれるリコピンは抗酸化作用が高く、こちらも疲れをとる効果があると言われています。先ほどご紹介したクエン酸も多く含まれているので、口当たりの良い冷やしトマトはさっぱりと食べられる上、食欲増進効果も期待できます。水分が多いため水分補給にもなりますし、カリウムの利尿作用で体内の水分バランスを保ちます。
いかがでしたでしょうか。夏バテを感じたら、積極的にたんぱく質やビタミンB1、クエン酸を摂ることを心掛けてみてください。トマトや柑橘類、梅で疲れた身体に元気をチャージしましょう!
この夏が過ぎれば「スポーツの秋」「食欲の秋」と秋の行楽シーズンが始まります。夏の疲れを残したままではもったいないですよね。しっかり体調を整えて、楽しい秋を迎えましょう!
出典:
「健康応援.com」
食品栄養成分表 女子栄養大学出版部
やさしい栄養学 女子栄養大学出版部