二十四節気に合わせて心と体を整える“白露”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、

自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第9回は「白露(はくろ)」です。

白露とは9月8日~9月22日頃、暑さの種類がなんとなく変わったように感じる季節。

日中の暑さがまだ残り、残暑はつらいと、つい口をついてしまいますが、朝夕にすーっと吹く涼しい風に秋の気配を感じるようになります。

中でも、9月9日は重陽の節句、別名「菊の節句」「栗の節句」と呼ばれ、菊酒や栗ご飯をいただき、長寿を願い収穫を祝う、昔ながらの習わしとして知られています。

この時期の体調管理は、乾燥による不調対策を考えなければなりません。鼻やのどの乾燥から風邪をひいてしまったり、皮膚が乾燥して皮膚疾患を起こすなど、秋は外気が原因で体調を崩しやすくなります。とりわけ、喘息の症状を持っている人はより細やかな注意が必要。食事の内容は変わってないのに何故か便秘っぽい、センチメンタルな気分になり無駄に悲しくなる、それはすべてこの時期の気候が影響しています。五行でも「肺金」という言葉が示すとおり、肺をいたわることを大切としています。六腑は大腸を、五官は鼻。東洋医学の側面から、乾燥と闘うこの時期はとくに「肺・大腸・鼻」をケアしていきましょう。

ここでおすすめしたい食材がレンコンです。肺にこもった熱をとり、潤いを生んで肌を癒すなど、乾燥による肌トラブルや下痢や便秘など腸のトラブルに良いとされています。また、レンコンには体の熱を冷ましてくれる作用があるので、発熱時やのどの乾燥、顔が赤い、のどが痛いときに食べるとオススメ。血をサラサラにしたり、イライラを解消させたいときに役立つ食材です。ただし、体を冷やしてしまうので、冷えの強い人は唐辛子や生姜、にんにくなど、身体を温める食材と合わせましょう。レンコンの粘りの元となる成分は、風邪の予防に繋がります。

同じ粘りけのある食材なら山芋も山薬と言われ、漢方生薬です。元気がない、やる気がない、風邪をひきやすい人に向いており、レンコンと同じように肺を潤して、痰や咳を鎮める効果があります。長芋、自然薯、大和芋は食感こそ全く違いますが、栄養価はほぼ同じ。東洋医学的効能も同じです。さまざまな調理法を試して積極的に食べてみてください。

このように、旬の食材を旬の時期に食べることは、自然と体調管理ができている証拠。秋は美味しいものがたくさんあります。体調を崩さないように旬のものを食べ、旬のものを美味しく食べられるよう、体調管理をしっかり行い、健やかな毎日を送りましょう。

出典:「旧暦で楽しむ日本の四季 二十四節気と七十二候」宝島社

「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代

和漢堂ホームページ

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