2019.11.14UP
二十四節気に合わせて心と体を整える“秋分”
二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第10回は「秋分(しゅうぶん)」です。
「秋分」とは9月23日~10月7日頃。鰯雲や鱗雲が高く浮かぶ秋の空に心和ませながら、作物の収穫を祝う時季です。ご先祖様への感謝の気持ちを表すために新物の小豆でおはぎを作る方もいらっしゃるのではないでしょうか。そして秋といえば、スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋の本番です。夏の成果を思う存分発揮できる季節ですので、自分が取り組んできたことを発表し、自信に繋げることを大切にしてください。
チャレンジ精神が活動的になることに対して、秋は鬱にも注意が必要です。秋への移り変わりはホルモン分泌を変化させるため、ちょっとしたことでも敏感になります。心と体のバランスが崩れやすくなりますので、肺金の食材(レンコン、山芋、ユリ根、ごぼう、銀杏、梨、りんご等)を積極的に摂りましょう。胸や脇腹を広げるストレッチも有効です。
また、秋分の日は彼岸のお中日になります。春のお彼岸には「ぼたもち」を供えますが、秋のお彼岸には「おはぎ」を仏壇に供えます。若干の違いはあるものの、ほとんど同じものを、春と秋で呼び名を変えています。地域によっては、採れたての小豆が使える秋(おはぎ)は粒あんを、小豆の皮が硬くなる春(ぼたもち)はこしあん、または黄な粉をまぶしたもの、など区別することもありますが、確定ではありません。名前だけは間違わないようにして、「粒あん」「こしあん」「黄な粉」どれでも好きなものを選べば大丈夫です。
このおはぎが広く知れ渡り、多くの人が食べるようになったのは江戸時代の後期と言われています。それまでは、小豆も砂糖も大変貴重なものとされていました。例えば小豆は中国から伝わってきた漢方薬として希少価値の高いものとされていました。当時の甘味といえばさつまいもや干し柿だったため、農作が非常に難しい砂糖も画期的な食材として、とても高価だったのです。収穫の時期を迎えると、豊作をご御礼したり、不作をお祈りするなど、ご先祖様に収穫の報告をするうえで、高価な食材で作られたおはぎをお供えものとして感謝の意を表しました。小豆の赤色には魔除けの効果があるとされ、邪気を払うと古くから言い伝えられているので、まさにピッタリのお供え物ですよね。
おはぎの他にも、さまざまな料理を楽しめる小豆ですが、身体へのメリットも。強い利尿作用と解毒作用を持ち、むくみの解消に昔から使われていたことでも知られており、デトックス効果が期待できます。さらに、抗酸化作用を持つポリフェノールやアントシアニン、血液をサラサラにしてくれるサポニンを多く含み、食物繊維も豊富だから便通にも素晴らしい効果を発揮。ビタミンB群も豊富なので、乾燥やホルモンの乱れでお肌が不安定気味な秋にオススメです。小豆を食べて美肌を目指しましょう。
出典:「旧暦で楽しむ日本の四季 二十四節気と七十二候」宝島社
「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代
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