二十四節気に合わせて心と体を整える“大暑”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第54回は「大暑(たいしょ)」です。

7月23日~8月6日の大暑は1年で最も暑い時期です。今回はすっかり夏の定番野菜となった「ゴーヤー」について書きたいと思います。

ゴーヤーは沖縄の代表的な野菜です。筆者が若い頃は沖縄か沖縄料理のお店でしか食べられませんでしたが、近頃は多くのスーパーや八百屋でも見かけるようになり、緑のカーテンとして日本中の家庭でも気軽に栽培されています。ゴーヤーは体内の熱を冷ます作用がとても強いことで広く知られていますが、夏は汗をかくことで血中の水分が失われ、血液が粘っこくなるので心の負担が増大し、熱を持ちやすくなります。その心の熱を冷ましてくれるのがゴーヤーなのです。また、余分な水分を排出してむくみを解消したり、胃液の分泌を促して食欲を増進させる効果もあり、夏バテ防止に一役買います。ただし身体を冷やす効果が強いため夏場以外に食べることや食べ過ぎはオススメできません。

さらにゴーヤーといえば苦味が問題視されます。この苦味が美味しさであり薬効成分になるのですが、強い苦味が苦手で食べない選択肢を取るのは損です。強い苦味を和らげる方法はいくつかあります。まず「白いわた部分を綺麗にこそげること」と認識されている方が多いと思いますが、それは間違いです。わたに苦味はなく、むしろビタミンCが多く含まれ、全部取り除くのはもったいないのです。次に切る薄さ。薄ければ薄いほど苦味成分は抜けやすくなりますが、同時に栄養成分も抜けてしまう上、食感もなくなってしまうので薄すぎるのはNGです。そこで私が推奨するのが2mm。そして塩もみ。これは必ずやっていただきたいです。塩もみすることで苦味がぬけ、えぐみも減って食べやすくなるからです。塩もみだけでは苦味を感じすぎる場合は、塩もみプラス砂糖を小さじ2くらい(ゴーヤー1本に対し)を揉みこむと苦味が和らぎます。あとは油です。油と合わせると苦味が和らぐので天ぷらやフリッターもオススメの食べ方です。うまみの強い食材と合わせるのもポイントで、豚肉や鰹節、ツナなど動物性の強いうま味の食材と合わせると苦味をカバーできます。

ゴーヤーに含まれるビタミンCは加熱に強いという大きな特徴があります。日焼けをしてしまった肌の再生にはビタミンCが必要。まさに「渡りに船」なのです。

ゴーヤーの調理法はチャンプルーだけではありません。塩もみをしてさっと茹がいて、お浸しにすると、ほど良い苦味が口の中をさっぱりとさせ、夏らしい箸休めになります。

食材には旬があり、旬のものをいただくことが最も簡単な薬膳料理です。今年の夏はゴーヤーをうまく食卓に取り入れ、夏を乗り切りましょう!

ゴーヤーを使ったレシピはこちら

・ゴーヤーツナサラダ

ゴーヤーツナサラダ

<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>

参考 「薬膳ごはん」杏仁美友

「からだに効く和の薬膳便利帳」武鈴子

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