小麦粉の使い分け

小麦粉には「強力粉」「中力粉」「薄力粉」とありますが、それぞれ特性があるため作る料理によって使用する小麦の種類を変えます。家庭で「薄力粉を使ったメニューを作りたいけど強力粉しかない。」というときに、わざわざ買いに行くのは少々面倒だったりもします。小麦粉はそこまできっちり料理によって使い分けなければいけないのでしょうか。今日はその点を見ていきたいと思います。

1.小麦粉の違い

小麦粉に含まれるたんぱく質(グルテン)の量によって種類が分かれています。

薄力粉…たんぱく質約8~9%

    グルテンの性質が弱く粘力が弱い

    クッキーやケーキのスポンジ、天ぷらなどサクサク、ふんわりした食感

中力粉…たんぱく質約9~10%

    薄力粉と強力粉の中間の粘力

    うどんやそうめんなど

強力粉…たんぱく質が約12%

    グルテンの性質が強く粘力が強い

    パンやパスタ、餃子の皮などモチモチした食感

グルテンというたんぱく質の量によって、サクサクやモチモチといった食感が決まります。小麦粉に水を加えてこねると粘りと弾力性がでますが、グルテンの量が多く粘りが強い強力粉がモチモチした食感になるのはこのためです。

2.代用もOK!

天ぷらを作りたいけど強力粉しかない。そのような場合は強力粉でも作れます。ただし薄力粉のようにサクっとした食感というより、フリッターに近い感じになります。作るときのポイントは混ぜすぎないこと。混ぜすぎると粘り気が出て、さらにモチっと仕上がってしまうからです。水は凍り水を使いましょう。

 天ぷら以外の例なら、うどんは薄力粉でOKです。中力粉を買いそろえるのもなかなか大変ですので薄力粉、塩、水をこねて作ります。そんなうどん作りで欠かせないのが、寝かせの時間です。寝かせることでグルテンの影響により弾力が増しますので、薄力粉で作る場合も寝かせを加えることで、コシのあるうどんが出来上がるというわけです。

 薄力粉で作るクッキーはサクサクと美味しい仕上がりになりますが、こちらも強力粉で代用が可能です。その際には片栗粉やコーンスターチを混ぜると薄力粉で作るようなサクサク感のあるクッキーに仕上がりやすくなります。また、薄力粉でパンを作るとモッチリ感が少なくホロホロした感じになります。

薄力粉→強力粉、強力粉→薄力粉 はあくまで代用であり、まるっきり同じというわけにはいきません。ですが、美味しく食べることはできます。ぜひお試しくださいね。

参考文献

・オールガイド食品成分表2015(実教出版)

・日清製粉グループHP

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