一度食べたら忘れられない!アルバニアでカルボナーラに恋をした……

こんにちは! 3度の飯と旅が大好きな、「住所は地球」をスローガンにしたい、さおりんと申します。半年間計画を立てていた、アドリア海を巡る豪華客船の旅に、2019年6月末、ついに出かけてきました。

以前、オーストラリアのケアンズに住んでいた時に、家から歩いていける港近くの公園で、よくサークル活動をしたり、友達と食事をしたりしていました。その港には国外からの大型客船が頻繁に停泊しており、いつも「中はどうなっているのだろう、どんな人たちが乗っていてどんな生活をしているのだろう」と、興味津々に眺めていました。

そしていつしか、「わたしもいつか乗ってみたい。いや、乗るぞ!」と、死ぬまでに経験したいことリストに追加されたのでした。老後の楽しみにとっておくつもりでしたが、偶然、旅行サイトにて格安で販売されていたのを見て、思い切って購入。カリブ海か、アドリア海(および地中海)か、とても迷いましたが食事に定評のあるイタリア方面へ繰り出すことにしたのでした。

クルーズ期間は4泊5日と初心者には心地よく、食事はいつでも食べ放題、クルーズ内外でのイベントもツアーにダンスにスクールにミュージカル上演と非常に充実した内容で、まるでゴージャスな船旅。

はじめてのヨーロッパ、そしてはじめての船旅には、彼や気のおけない大切な人たちと一緒に行くことに。大好きなパスタとピザが、海の向こうで待っている――。と、もはや何がメインの旅かわかりませんが、楽しみで楽しみで仕方ありませんでした。

ベネチアで、イタリア料理に舌鼓


クルーズの出発港は、ベネチアのターミナル「スタチオーネ・マリティマ」。クルーズの前に、「水の都」ベネチアに滞在することにした、私たち。日本同様に、海の幸も山の幸も豊富なイタリアの料理は、現地でいただいても、口にとてもよくあいます。

ベネチア周辺の主要観光地の観光を足早に済ませ、滞在時間のほとんどを食事に充てていたほど、ひたすらにパスタ、パスタ、パスタを堪能しました。

真夏のなまあたたかい海風を受けながらテラスでいただく食事がまた、格別です。


ベネチアは古来より商人の町。有名なレストランもいいですが、路地裏にひっそりとあって、格安で、地元の学生や大工さんに親しまれている小さなお店についつい入りたくなりました。

乗船直前まで、港町ベネチアの散策と食事を満喫していた、私と彼。船は、圧倒的存在感を放つ巨大客船でした。収容人数2,000人以上なんだとか。複数の国をあらゆる国籍の乗客が旅をするからなのか、身分確認や荷物検査やら生体確認やら厳重すぎるセキュリティを経て、無事乗船!

船の内装も、絢爛豪華で、まるで5つ星ホテルのよう。加えてていねいなおもてなし。お姫様にでもなったかのような気分です。

毎晩特別ディナーはあるし、お腹が空いたらいつでもなんでも飲んだり食べたりできるし、アクティビティも毎日朝から晩まで、プールもジムも使い放題。

こんなラグジュアリー空間で5日間過ごせる上に、まだ見ぬヨーロッパ各国への上陸観光できるなんて……。船旅にハマる人の気持ちがよくわかります。

意外な国で衝撃的な出会い

その出会いは、2か国目に訪れた、アルバニアでのこと。アルバニアは、つい最近まで事実上の鎖国状態だった国のようで、しばしば「ヨーロッパの北朝鮮」と揶揄されることもある国です。私たちは小さな港町サランダに上陸しました。

歴史上でも、中国や欧州の周辺各国での改革・革命・運動につど影響を受け、人々の価値観や宗教観がコロコロ変わっていったようですが、その片鱗が現在も見え隠れします。

小さな国の中に、さまざまな様式の遺跡・建造物が混在し、まさに「カオス」な感じでした。観光客、とくにアジア人は多くなかったように思います。お隣はギリシャ、イオニア海を挟んでお向かいはイタリアです。どことなく、禍々しい雰囲気はありましたが表向き陽気な印象はありました。

旅先では現地のものをいただくのが楽しみの1つですが、どうもアルバニアには心踊るよ

うなお料理のご紹介がないように思えて(レストランも古そうな、こだわりの弱そうなところが多くて)、船に帰ってビュッフェでも行こうかなと考えていたところに同じ船に乗っていたおじいさんがめぼしいお店を発見。現地の方が多く休んでいるテラスカフェでした。

藤棚のような、葡萄棚のような、蔦の絡んだ屋根の下に椅子とテーブルがならび、明るい開放的な雰囲気は悪くなかったので、そのお店で食事をいただくことに。

メニューを開くと、しっかりイタリアンで、地元の海鮮のフリッターなんかもありましたが、私たちは無難にマルゲリータピザ、スパゲティボンゴレロッソ、スパゲティカルボナーラを注文。店内はそう混み合っていませんでしたが、かなり待たされました。待たされた時間の分だけ、期待は高まるばかりでした。

常識が覆った瞬間

そうして、ついに料理が到着! ピザはたっぷりのチーズがとろけて伸びて、写真映えもよし、味もバツグンです。

ボンゴレロッソも貝やエビなどの海鮮と、トマトソースがしっかり絡み合っていました。この地の気候は、良質なトマトが育ちやすいんだそうです。

そして、お待ちかねのカルボナーラ。これが、私の常識を覆した今回の旅グルメでした。まず一口含む瞬間の香りが「ん!?」、その味を噛み締めてさらに「なにこれ!?」と、体感したことのない香ばしさとクリーミーさに、思わず感動。

アルバニアはどんな国か様子を見に行ければいいかな、歴史もフワフワだしお料理は期待できなさそう。なんて思っていたのが、完全に裏切られました。フォークが止まらないほど夢中で口に運び続け、ソースを全て味わいきるために「スプーンをください!」とお願いするほど。そんな、ちょっとしたアドレナリン放出タイムとなったのでした。

秘伝のレシピは……

最後に店員さんに、「カルボナーラがすっごくおいしかった! 何が入っているの!?」と簡単な英語で問い合わせるも、笑顔で「ありがとうございました〜」のみ……。言葉がわからないよね……ということでヒントは得られず。

あの香ばしさと舌触りはなんだろう、と知恵を寄せ合い、また私がもともとカルボナーラを得意料理としていたので、帰国後、それを改良する形ですぐに研究しました。素人にしては、なかなか上出来の、あの強烈なインパクトの絶品カルボナーラに非常に近いレシピを、冷蔵庫にあるものから生み出すことに成功しました!

アルバニアの後はシチリア島のメッシーナを訪れ、クルーズ旅はナポリ着で無事に終了しました。どの都市でもパスタを食べた私ですが、アルバニアで食べたカルボナーラの味を忘れることはできませんでした。

アルバニアで食べたカルボナーラのレシピはこちら

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