2019.12.12UP
海にプラスチックのかけらを流さない!環境に配慮したサスティナブル素材のお掃除グッズ
近年、注目を集めている「サスティナブル(Sustainable)」。“持続可能な”という意味から「環境に配慮した持続可能な取り組み」というエコ活動を示す言葉として用いられていますが、これは私たちにとっても身近な問題です。
今回は環境に配慮したサスティナブル素材の家事掃除グッズを日常生活に取り入れている北欧のライフスタイルに注目。北欧ブランドを多く取り扱うサスティナブルショップ「エコンフォートハウス」にお聞きしました。
森から生まれて森に還る「セルロース」を知っていますか?
いつもキッチンまわりで使っている台拭きや食器拭きの素材といえばコットン(綿)が多いですよね。でも実は、1kgのコットンを栽培するのに20,000ℓ(20トン)もの水が必要ということをご存知でしょうか?コットン1kgの目安は、Tシャツ1枚、ジーンズ1本。これができるまでに大量の水が使われているんです。スウェーデンでは、この水の大量使用を止めて地球環境を守るために、サスティナブル素材と呼ばれる「セルロース」を使おうという取り組みが進んでいます。
建築材や家具に使われることなく、廃棄されてしまう木の端材(根っこや枝葉の部分)から採れるセルロースは100%植物性の天然素材。このセルロースからつくられたアイテムは、埋めれば生分解し、土に還るため、プラスチックスポンジのように海を汚すことはありません。森から生まれて森に還るセルロースは、なんとスウェーデンでは70年以上にわたり使われている素材。日本ではまだまだ認知度が低いサスティナブル素材ですが、北欧を中心に広がっているエコ素材なのです。
セルロースのお掃除グッズの特長とは?
環境にやさしいセルロース素材にはメリットがいっぱい。スウェーデンでは、セルロース素材を使った台拭きや水きりマット、食器洗い用のスポンジなど、さまざまなキッチンアイテムに活用されています。ここではメリットとデメリットとそれぞれをまとめてみました。
〈メリット〉
・自然素材だから100%生分解される
・綿の2.5〜3.2倍、自重の10倍の吸水力がある
・スポンジのように乾きが早く、雑菌が繁殖しにくいので臭くなりにくい
・油汚れに強く、お湯洗いすれば落ちる
・片手でギュッと絞るだけで水分がなくなるため水滴が滴らない
・握力が弱くても簡単に絞れる
・洗濯ネットに入れて洗濯機で洗える
・煮沸消毒ができるので衛生的
・汚れが目立ってきたら植木鉢の底敷にして自然分解
・ガラスや漆器などデリケートな素材を傷つけない
〈デメリット〉
・プラスチック製スポンジに比べると耐久性が低い
・乾くといびつな形になる
・水に濡らして絞ってから使用するため、とっさの拭き取りはできない
・他素材に比べて若干割高
セルロース素材を使ったお掃除グッズは、「濡らして絞ってから使う」が基本です。吸水力、速乾力、しぼりやすさといった使い勝手の良さがある一方で、上記に挙げたデメリットがあるのも事実。しかし、プラスチックのキッチンスポンジの破片を知らずしらずに排出し、海を汚している。実は私たちが、環境問題に対して加害者になっているのも事実。
地球の未来を考えるならば、常に加害者になりえるという意識を持ち、毎日使うアイテムのシフトチェンジが必要です。セルロース素材のお掃除グッズは一度使うとリピーターになる人が多いといわれる快適アイテム。「節約」ではなく、スポンジひとつを変えることがエコにつながるという姿勢が「サスティナブル」です。
衛生面から考えれば、一般的なスポンジは1ヶ月に1度変えるのが理想です。次の台拭きやスポンジを買い替える際は、セルロース素材のお掃除グッズを視野に入れて、一歩ずつ暮らしの道具と意識を変えてみてはいかがでしょうか。
取材協力:エコンフォートハウス