「二十四節気に合わせて心と体を整える“大寒”」

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第66回は「大寒(だいかん)」です。

1月20日~2月3日頃とされる大寒の時季、次の暦がスタートするのは節分からですので、大寒は旧暦の最後を飾ります。大寒はその名の通り1年で1番寒い時期。食養生で身体を温め、身体の調子を整えましょう。

今回は「高野豆腐」についてご紹介します。高野豆腐とは、豆腐を凍結、低温熟成させた後に乾燥させた日本古来の保存食品です。日本農林規格(JAS)における正式名称は「凍り豆腐」。高野山で製法が完成された凍り豆腐を“高野豆腐”と呼び、江戸時代に高野山のお土産として珍重され全国に広まりました。東北地方や甲信越地方でも凍り豆腐は古くから作られていて、地域によって作り方は異なるものの総じて「凍り豆腐」と呼ぶそうです。

昔から漠然と栄養価の高い食材として知られている高野豆腐ですが、独特なスポンジ食感が苦手だったり、煮含める以外の調理方法がわからなかったりとイマイチ人気が出きらずにいました。そんな高野豆腐は近頃の糖質オフメニューで新たな脚光を浴びています。

まず、高野豆腐の大きな魅力は栄養素の半分が植物性たんぱく質であること。たんぱく質の中でも約3割を占める“レジスタントタンパク”が特筆すべき点です。このレジスタントタンパクは身体に吸収されにくく食物繊維に似た働きがあり、血中の悪玉コレステロール値を減少させる効果が報告されたほか、食後の中性脂肪の上昇を抑制する効果もみられているそうです。

そして高野豆腐は糖質カットにも大活躍してくれる食材です。高野豆腐は穀物や芋類に比べて糖質の量が非常に少なく、粉末に加工された高野豆腐を小麦粉の代わりにしたり、戻した高野豆腐を焼くとトーストしたカリカリのパンのようになります。ぬるま湯で戻す従来の調理法だけではなく、ヨーグルトや牛

乳、トマトジュース、など水以外で戻したり、手でちぎったり、角切りにしたり、ひき肉状に砕いたり、粉末にしたりとテクスチャーや風味を簡単に変化させることができるため、さまざまな料理の代替食品として使えるのです。

水分を加えると膨らむので、満腹感を得やすく食べ過ぎ防止にもなります。粉末の高野豆腐を普段の食事にプラスして栄養価アップする、まるでサプリメントのような使い方もできるのです。

高野豆腐は日本の気候が作り出した日本独自の食材であり、日本生まれのスーパーフードと言葉にしても過言ではないのではないでしょうか。日本人の身体には日本の食材がフィットします。美味しく飽きずに食べられる工夫をして、高野豆腐を日常にしましょう。

参考  「旭食品株式会社」WEB

    「みすずコーポレーション」WEB

タグ

    オススメコラム・特集

    このコラムに関連するコラム