羅漢果とエリスリトール

羅漢果(らかんか)とエリスリトールをご存知でしょうか。低糖質食、糖質制限に興味がある方は、砂糖の代替甘味料としてしばしば登場してくるので使っている方も多いかもしれません。

砂糖は99.8%糖質ですので、上白糖なら大さじ1で糖質約9gになります。羅漢果やエリスリトールの糖質も同じようにあるのですが、吸収されないか、吸収しても体内で使われない糖なので糖質0とみなされるというわけです。

では羅漢果とは何でしょうか。5㎝ほどの丸い果実で、中国の桂林西南部で世界の9割が生産されています。羅漢果は中国政府の方針により、日本で入手できるのは乾燥果実またはエキスに加工されたもののどちらかになるそうです。

そんな羅漢果は、砂糖よりもずっと甘いのにカロリーは低いため注目されています。羅漢果そのものはブドウ糖や果糖を含むので、完全に0キロカロリーではありませんが、ヒトがエネルギーとして利用できない性質をもつ糖類である甘味成分のモグロシドを含み、それが強い甘味成分になります。モグロシドを抽出したエキスは、砂糖より甘い甘味料でありながらカロリーは0。活性酸素除去能力が高く美容効果もあります。さらに腸内環境を整え、糖尿病予防や糖尿病患者の甘味料としても優秀。中国では「神果」とも呼ばれ、栽培も守られています。日本で羅漢果の含まれる甘味料はいくつか販売されていますが、羅漢果以外の糖質や添加物が多く含まれているものが多く、注意が必要です。
 
続いてエリスリトールを紹介したいと思います。エリスリトールとは、サクラ草の根、藻類、キノコ類、メロンやぶどうや梨などの果実、味噌や醤油や清酒などの発酵食品に含まれている糖質(ブドウ糖)を原料に、酵母を用いて発酵させ精製、濃縮、結晶化して産生した糖アルコールです。天然由来の甘味料で、甘さは砂糖の70~80%。体に全く吸収されないゼロカロリー糖質です。血糖値を上げない糖質ですので、インスリンの分泌にも影響をきたさない性質であるという報告から、糖尿病の方も使える甘味料として知られています。

羅漢果もエリスリトールも健康被害や副作用は特になく、摂取量の制限もありません。ただ、お腹の弱い方は注意が必要です。そして「カロリーゼロ」だからといって、どれだけ食べてもOKというわけではありません。

人間は低血糖になると脳が食事をするように促し空腹を感じます。そして食後の血糖値の上昇に備えあらかじめインスリンを分泌します。しかし羅漢果やエリスリトールのような代替甘味料は血糖値を上げないため、すでに分泌してしまったインスリンによって、不必要に血糖値を下げ低血糖がさらに進んでしまうのです。そのためより空腹感が増し、過食になる可能性や頭痛が起こることがあるのです。

糖質の摂りすぎが気になる方は、羅漢果やエリスリトールの加工品を成分や製法に注意して選ぶことが大切です。砂糖の代替としてうまく生活に取り入れてくださいね。

参考
「SARAYA」HP
「SINTESIS」HP

(オフィシャルメンバー:滝野香織)

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