「二十四節気に合わせて心と体を整える”大雪”」

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第86回は「大雪(たいせつ)」です。

12月7日~12月21日頃、関東地方ではまだ雪が降る季節ではありませんが、冬がだんだん深まり、湯気が美味しい食べ物が恋しくなる時季ですよね。今回のテーマは「おでん」です。

筆者は東京生まれの東京育ち。おでんと言えば、かつおだしの効いた黄金色のつゆに濃い口しょうゆの香りです。私には当たり前だった、ちくわぶ(小麦粉を練ったすいとんのようなもので、ちくわの形)、ふわふわの白いはんぺん、魚のつみれ、すじ(魚の軟骨やすじの入った灰色の練り物)は、どうやら関西やほかの地域には、あまり見られないようです。そういえばじゃがいもも独特だと言われたことがあります。

関西は、関東風に比べると薄口しょうゆで、味はあっさりが多いことで知られています。関東のように煮こまないので、しみしみという感じではないのかもしれません。関西おでんの代表は、牛すじとタコ足でしょうか。

他にも有名な地方おでんといえば、静岡県が思い浮かびます。牛すじでだしを取り、濃い口しょうゆの黒いつゆで煮込む黒いおでん。黒はんぺんと呼ばれる静岡の郷土食の存在も必須です。サバやイワシを皮も骨も全部すり身にするので黒くなります。さらに静岡おでんには、豚モツも入ります。そして、イワシの削り節やあおのりのふりかけのようなものをかけていただきます。

名古屋のおでんも特徴的で、名古屋らしく八丁味噌ベースの甘辛いつゆで煮込まれています。里芋、焼き豆腐、角麩、豚モツが目を引きますよね。以前、筆者も名古屋を訪れた時に食べたことがあるのですが、とっても美味しかったのを覚えています。

金沢のおでんは、北陸らしく昆布だしが効いています。つぶ貝、車麩、がんもどきなど華やかな見た目が特徴です。

北海道では、昆布の効いたつゆにホタテやつぶ貝、魚のつみれ、白子など海の幸に加え、長方形のさつまあげ(通称=マフラー)、ふき。それらにみそだれをおでんに付けるそうです。

姫路のおでんは、ごぼう巻、牛すじ、平天(練り物)が特徴的な具材で、生姜醤油をつけて食べるそうです。

松江は、干しあごと鶏肉のだしに名産のバイ貝やあごちくわが入ります。

高知はもちろん鰹節のだしがメイン。そこに手羽先のだしも加えて、じゃこ天、紅白蒲鉾が入ります。

福岡は、餃子巻きが特徴的で、今では全国区になったロールキャベツも入ります。キャベツ入りの餅巾着も独特です。

鹿児島は、もちろん豚ベースのつゆ。そこに麦みそで味付けした甘めの味。スペアリブや大豆もやしも個性的ですね。

沖縄は豚足とソーセージ、青菜が入り、つゆは豚肉のこってり系。意外にも沖縄には、おでん店が多いのだとか。

このような「ご当地おでん」は、その土地の特徴を実直に表しています。今はなかなか外食も難しいかもしれませんが、レシピを検索してご当地おでんを楽しむのも面白いかもしれませんね。

 

ちなみに筆者の一押しのおでんの具は「トマト」」です!ぜひお試しあれ。

参考 「紀文」HP

   「オリーブオイルをひとまわし」WEB

(オフィシャルメンバー:滝野香織)

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