二十四節気に合わせて心と体を整える“小雪”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通じて、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第14回は「小雪(しょうせつ)」です。

小雪とは11月22日~12月6日頃。木枯らしが吹き、北風の冷たさに冬の到来を肌で感じ始めます。

東洋的思想では11月は貯えのシーズン。習得本能を満たすべく勉強に励み、肉体や経済的にも貯える時期と言われています。肉体面の貯えとして、骨格を鍛えるタイミングにオススメです。つまり骨を丈夫にしましょうということです。カルシウムとたんぱく質、ビタミンC、Dを意識して摂取するよう心掛けてみてください。ただし、注意するべきはカルシウムだけを摂れば良いという発想に捕らわれないこと。カルシウムでできた骨の構造の中はコラーゲンで支えられています。カルシウムはコンクリート、コラーゲンは鉄筋の役割をしていると考えるとイメージしやすいでしょう。コラーゲンの素になる栄養はたんぱく質です。コラーゲンの合成に必要とされるのがビタミンCですので、合わせて摂取しておくと相乗効果が期待できます。

余談ですが、よく店頭で売られているコラーゲン飲料や錠剤を飲んでもコラーゲンとして体内で生成されるわけではありません。ビタミンDもサプリメントだけに頼るのではなく、日光から摂取しましょう。人の肌に太陽の光が当たることでビタミンDは生成されます。栄養面だけを重視するのではなく、適度な運動を取り入れることが丈夫な骨を作る大切な要素ですのでお忘れなく。

小雪に摂って頂きたい食材にはいくつか候補がありますが、今回はクルミに着目したいと思います。クルミは中医学的に肺(秋)と腎(冬)の経路と関係している食材で、呼吸器を強化して便秘を改善します。五行では腎水に属すので、腎に効果が高く、滋養・美髪・精力に有効です。貧血にも効果があるため女性にもおすすめです。ただ、熱性が強いので、冷え性の方には良い食材となるものの、それ以外の人が食べ過ぎると吹き出物や目やにが出ることも。ひどい場合は化膿してしまうケースもあります。良質な脂分が多く含まれている分、高カロリーですので食べ過ぎには注意が必要です。

また、中医学の興味深い考え方に形の似ている似類補類というものがあり、クルミは大脳に似ていることから「大脳」に作用するとも言われています。脳機能の向上や老化防止、ボケ防止にも◎。実際、クルミには体内でDHAに変換されるαリノレン酸が含まれています。さらにビタミンEやミリセチン(フラボノイド)などの抗酸化物質や、神経伝達物質「アセチルコリン」の原料となるコリン、神経伝達物質の生成に必要なトリプトファンなど、さまざまな栄養素を含んでいるスーパーフードの一種。科学的にも認知症予防や症状緩和効果など幅広い効果効能が期待できる食材です。

クルミをはじめとした種実類は、生命力が強く高栄養です。少量での力が強いだけに過剰摂取とならないよう、上手に取り入れみてください。

出典:「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代 ダイヤモンド社

SLOW BEAUTY(web)

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