困ったらサバ

今が旬のサバ。

春の産卵を終え、やせ細ったサバが再び餌をたくさん食べるので秋冬は脂肪をたくさん蓄えた美味しいサバになります。その脂肪分は20%にもなるというから驚きです。

私たちが普段目にするサバは主に3種類ほど、マサバ・ゴマサバ・ノルウエーサバがあります。マサバは日本沿岸で捕れる最もポピュラーなサバ。ゴマサバはマサバより脂が少ない品種です。ゴマサバはマサバに比べ年間の脂肪量変化が少ないので「マサバが瘦せている時期はゴマサバの旬」と呼んでいるそうです。ノルウエーサバは大西洋で捕れるため別名大西洋サバとも呼ばれ、脂がたっぷりのっています。ノルウエーサバは加工品として私たちにはなじみ深いことでも知られています。

 サバといえば、とにかく栄養が豊富な青魚。100gあたり20g以上の良質なたんぱく質を含みます。サバの美味しさのポイントとなる脂質はマサバで16.8g/100g、ゴマサバは5.1g/100g、ノルウエーサバは22.3g/100gと大きな違いがあります。この脂質に含まれるDHAは血流の流れを促して脳や神経細胞の発育を活性化させ、記憶や学習能力の向上、精神の安定やストレス緩和作用など期待できます。さらにEPAも、血液のながれを促進し、血液中の善玉コレステロールを増加させ、悪玉コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。鉄分、ビタミンB12も豊富で、貧血対策にもおすすめです。

サバに含まれる栄養は、子どもの成長にも◎。体を作る良質なたんぱく質、骨の健康に不可欠なビタミンD、脳の反応を良くするDHAなど成長期の子どもに必要な栄養素が含まれているのです。

そんなサバの栄養をより効率的に摂り入れるためには、食べ合わせも大事。ビタミンDやEは脂溶性ビタミンですので、油と合わせること。EPAやDHAは酸化しやすいので、抗酸化作用のあるβカロテン(主に緑黄色野菜)やビタミンE(ごまやナッツ)と組み合わせることを意識しましょう。

 サバ缶はとても便利な商品です。水煮や味噌煮は使い勝手が良く手軽に食べられるので、我が家の食卓に欠かせない食材です。例えばお昼ごはんに麺類を食べるとします。ラーメンにせよ、お蕎麦にせよ、たんぱく質やビタミンが足りないなと思ったら、そこに缶詰のサバを小鉢として添えると栄養バランスが整うのです。

 また冷凍庫には、塩サバが常にストックされています。もともと冷凍で販売しているノルウエーサバがお気に入りで、脂の量がたっぷりで身もプルプル。冷凍はノルウエーサバがおすすめです。お買い物に行けなかったときのことを想定してストックしているのですが、朝昼晩ごはんにしょっちゅう登場させてしまいます。とりあえず出せる手軽さに対し、高栄養すぎるほど高栄養のサバは本当に便利なのです。困ったらサバ。これを身に付ければ、食事に困ったときにも栄養を諦めなくてすみますよ!

サバのゴマ焼き レシピはこちら



参考 「食品成分表」

オフィシャルメンバー:滝野 香織

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