ふぐ(河豚)料理の歴史って?ふぐが美味しい旬の時期はいつ?

大きな皿にきれいなお刺身が盛られている「てっさ(ふぐ刺し)」や、ぷりっと白い身が食欲をそそる「てっちり(ふぐ鍋)」など、冬グルメを代表する魚といえば「ふぐ(河豚)料理」。

ふぐ料理の歴史やおいしく食べられる旬の時期について、魚のサブスク「サカナDIY」を手がける山口県下関の水産会社・株式会社ふく衛門に教えていただきました。歴史や旬を知り、この冬は家族みんなで美味しいふぐ料理を楽しんでくださいね。



伊藤博文も感動!?「ふぐ料理」の歴史

日本でふぐ料理が広まり始めたのは、明治20年頃。初代内閣総理大臣・伊東博文が山口県下関にある「春帆楼」という宿泊先でふぐを食べたところ「これはうまい!」と賞賛されたことがきっかけで、それまで禁止されていたふぐが解禁され、日本全国に広まったといわれています。

時は遡り1592年。豊臣秀吉による「河豚禁食令」の発令でふぐは「公的」に食べることが許されていませんでした。この背景には、ふぐ毒による死者が出たことが原因でしたが、その後はふぐの毒を除去する技術が開発され、皮・毒を取り除いたふぐの「身欠(みがき)」が下関から登場。この技術を使い、飲食店や料亭が刺身や鍋にして出すようになり、今日では安心して美味しいふぐを食べられるようになったのです。



ふぐが「ふく」と呼ばれる理由

ふぐの産地として知られる山口県・下関では、ふぐは「ふく」と呼ばれていました。ふぐが解禁され、東京を中心に全国に提供されるようになったことで東京での呼び名「ふぐ」が広まったそうです。今でも下関では、昔ながらの呼び名で「ふく」と呼ばれることもあります



旬はいつ?ふぐ料理の春夏秋冬

ふぐの聖地である下関には、季節によっていろいろなふぐが集まります。四季折々で楽しめる旬のふぐをご紹介します。

春:ヒガンフグ

3〜4月に上がるふぐ。市場ではあまり流通しておらず、下関ではトラフグより美味しいという方もいるほど貴重なふぐ。独特な食感で、刺身にすると味が濃厚。かぼす・すだち・だいだいなど柑橘系を絞り、軽く塩を振って食べると美味です。

夏:ショウサイフグ

関東近辺で上がるふぐで、他のふぐに比べて安価です。身が柔らかめで、アヒージョなど火を加えるとさらに美味しくいただけます。また、夏場のショウサイフグは白子が絶品で、濃厚ながらもさっぱり食べられる味が特徴です。

秋〜冬:マフグ、トラフグ

マフグはフグの女王、トラフグは王様と呼ばれるほど人気が高い冬が旬となるふぐ。白身魚の頂点ともいわれるトラフグは、締まった身と上品な香りが最高。たんぱくな身質ながらも、コリコリ食感とほどよい甘みが味わえる高級魚です。そしてトラフグを超える甘さを持つマフグは、もっちりとした口当たりで食べ応え満点。味わい深い身質が楽しめます。トラフグは薄造り、マフグはふぐ鍋や唐揚げなど、それぞれの美味しさを引き立たせる料理が楽しめます。



ふぐの歴史や旬など、ちょっとした豆知識を知った上でいただくと、ふぐ料理がさらに美味しく感じるものです。ふぐが最高に美味しくなる今の季節、ぜひおうちごはんに取り入れてみてはいかがでしょうか。



取材協力

株式会社ふく衛門:https://www.fuku-emon.com/

参考

春帆楼:https://www.shunpanro.com/about/history.html

ふぐマガ:https://www.fugu-sakai.com/magazine/learn/949/

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