世界のサバ事情

鯖と言えば“鯖の味噌煮”。日本の家庭料理を代表する茶色い味噌煮の味は「こんなに調和の取れた料理は他にある?」と考えてしまうほど、しみじみとした美味しさがありますよね。そんなTHE日本のイメージが強い鯖は「鯖を読む」という言葉がある通り、昔から日本で獲れる魚です。でもその実態は世界中で食べられており、さらに様々な食べ方があるとされ、鯖の世界はとても奧が深いのです。

まず有名なのはトルコの鯖サンド「Balik Ekmek)。トルコ国内ではケバブよりも人気の高いフードなのだとか。半分に切り込みを入れたバゲットに、オリーブオイルで塩焼きした鯖とスライスオニオンをはじめとした生野菜を挟み、最後にレモンをギュッと絞った簡単なサンドイッチです。鯖の臭みもなく、レモンと生野菜でさっぱりしているから脂っぽさも気にならず。イスタンブールの昔ながらの料理で道端のスタンドで気軽に買える手頃なサンドイッチとして人気です。暑い日でも美味しく食べることができそうですよね。

続いて、ベトナムのサンドイッチ「バインミー」。このサンドでも具材に鯖を挟むことがあるそうです。トルコの鯖サンドと見た目はほとんど同じですが、バインミーは魚醤であるニョクマムで味付けします。その他にも、塩焼きにしてタイ風ソースをかけて食べるタイ料理など、鯖は各国で受け入れられている食材なのです。

ところで、私たちが食べている鯖は国産ばかりではなく、ノルウェー産も多いとされています。事実、ノルウェーで水揚げされた鯖の4割を日本が消費しているのだとか。日本国内に流通する鯖の50%がノルウェー産だそうです。主に塩鯖や缶詰に加工されるのですが、特に塩鯖は脂がのっており筆者も大好きです。

ノルウェーでの鯖料理は焼く、煮る、燻製などシンプルな料理かトマトソースと合わせてパンにのせて食べることが多いそうです。ノルウェーでは夏の時期、脂がのっていない鯖が一般的に食べられているそうですが、日本人向けに輸出される鯖は脂がのった冬場の鯖。ヨーロッパ人は脂の少ない夏鯖を食べているわけです。私たち日本人目線からすれば「とろサバ」と言われるような、たっぷりと脂がのっている鯖が美味しいのに……と思ってしまいますよね。他の北欧やヨーロッパの国々では燻製された鯖が定番だそうです。

このように世界中で愛されている鯖という食材。トマト煮やソテー、カレー、キムチ煮、トマト煮、バジルソース、フライ……とアレンジの幅が広い魚だということが分かりました。栄養価も高いので、色々な調理方法で鯖料理を楽しみたいですね。

参考 「おとなの週末(池田陽子著)」WEB

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