料理をレシピ通りに作ったつもりが、うまくいかない……。
このような状況に陥ることって意外と日常的によくあることですよね。調味料の配合も野菜の切り方も完璧。なのに何か違和感を感じてしまうのはナゼ?
そのようなときに見直してほしいのが「火加減」。レシピの中で、ちょっと見落としてしまいやすいポイントです。
今回のコラムでは、弱火から強火にするポイントをチェック。なぜそうするべきか?を理解すれば今までよりも火加減の扱いが上手になるかもしれませんよ。
■酒類は強火が正解
風味づけで酒やワインを使うことがありますよね。その時に、酒類を加えてから弱火でくつくつ煮込むようなことはNGです。なぜなら、変なアルコール臭さのようなものが残ってしまうから。酒類を加えた時は強火で一気にアルコール分を飛ばす、これが鉄則です。強火で対応することで、臭みがなく風味だけが残ってグッと美味しくなります。
■肉は火を付けない状態から
鶏肉や豚の塊肉を調理するときにオススメしたいのは火を付けず、冷たい状態のフライパンにお肉を入れてから加熱する方法です。お肉を焼くと言えば、熱したフライパンに入れた瞬間に「ジュっ」と音をさせるイメージが強いので、この方法には驚かれるかもしれません。熱いフライパンにお肉を入れると皮が反り返って均一に焼けなかったり、身がしまって固くなってしまったりするのですが、冷たいところからじんわりと火を入れてあげることでふっくらジューシーな仕上がりを目指すことができます。
■野菜炒めもまさかの弱火で!?
中華料理屋さんで、派手な強火で中華鍋を振るいながら野菜炒めを作るシーンを見たことがありますか?そう、野菜炒めと言えば「強火」の代表選手ですよね。けれども、実は弱火でじっくり炒めることで失敗知らずのシャキシャキ野菜炒めが実現するのです。コツは2つ。ひとつ目は最初の段階で野菜に油を回しておくこと、ふたつ目はフライパンに野菜を入れたらやたらといじらないこと。嘘のような本当の話。だまされたと思って試してみてください。
■火からの距離で調理方法の調整も
いつも火加減の調節を考えて、つまみをいじっていると手間ですよね。卵料理のようにあっという間に火が通ってしまう場合は、火加減は強めに一定にしたまま、火が通りすぎそうになったらフライパンを離して温度の調節をするというやり方もあります。必ずしも火加減のみにこだわる必要はありませんので、「お鍋やフライパンを火から離す」という調節の仕方も是非マスターしてください。
いかがでしたでしょうか?たかが火、されど火。火の扱いが上手になれば、固いお肉やベチャッとした野菜炒めとさよならできることでしょう。「これって本当なの?」と疑う内容がありましたら、まずはそこから試してみてください。きっといい意味で、あなたの予想を裏切ってくれるはずです。
参考文献
野崎洋行が考える 美味しい法則