二十四節気に合わせて心と体を整える“大暑”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第30回は「大暑(たいしょ)」です。

大暑とは7月23日~8月6日頃、1年で最も暑い時期です。夏の土用があり、陰陽五行説において土用は東西南北の中心。昔から重要な時期と位置付けられており、人間の体では中心である「脾」にあたります。脾は食べ物を消化吸収してエネルギーに変えて全身に送り届ける大切な場所。脾の働きが弱まると免疫力が低下します。夏の疲れがお腹にくる時期でもありますので、何時に何を食べたのか?どのくらいの量を食べているか?食事の在り方を見直すことをおすすめします。また、1年の中で1番ダイエットに向いている時期とも言われています。この季節にお腹のケアをしてトラブルを解消できれば、代謝が上がり、効率の良いダイエットが期待されるというわけです。

中医学における肥満は大きく分けて「実証」と「虚証」に分けられます。「実証」はいわゆる固太りタイプで、以下のような特徴があります。

・体力があり疲れにくい

・筋肉質

・のぼせやほてりがある

・冷たいものを好む

・便秘傾向

・口が渇いて多くの水分を飲む

実証タイプは食欲が旺盛で、カロリーオーバーに起因することが多いです。「肥厚甘味」と言われる、甘いもの・脂っこいもの・香辛料の多いもの・洋食品・加工食品・高たんぱくなもの・生もの・冷たいもの・コーヒー・アルコール・タバコといったものを好む傾向にあり、肥厚甘味の食生活は血熱・湿熱症状を悪化させる可能性があります。これを解決するためには、食生活の見直しが1番。加えて適度な強度の運動習慣をつけましょう。

一方、「虚証」は胃腸の機能が弱く水分代謝が悪いタイプで、以下のような特徴があります。

・体力がなく疲れやすい

・ぽっちゃりしている

・冷えの傾向がある

・冷たいものを食べると下痢になる

・動悸や息切れがする

・顔手足がむくむ

代謝の悪さが肥満の原因となっているので、カロリー制限よりも胃腸機能を高め余分な水分を排泄することがポイントです。

両方の肥満に共通して言えることは暑いからと言って冷たいものを摂りすぎないことです。ひとくちに肥満と言ってもタイプは人それぞれ。自分の肥満を見極めて適切な対処をし、脾の養生をして、体の断捨離をしましょう。

参考 「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代

「からだに効く和の薬膳便利帳」武鈴子

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