二十四節気に合わせて心と体を整える“白露”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第33回は「白露(はくろ)」です。

9月8日~9月22日頃、まだまだ残暑厳しい頃ですが、朝晩の涼しさに季節の移ろいを感じます。この時期は台風が多く、低気圧による体調不良から喘息の症状悪化、頭痛に悩まされる人まで多くいます。

秋に体調を崩しがちな人は、中医学の分類では「肺金」と言われます。肺と大腸のケアを重点的に行い、呼吸器、排泄機能、鼻、皮膚粘膜、皮毛を注意深く見つめて養生していきましょう。また、乾燥による風邪“燥邪”も患いがちになります。風邪は四季ごとに種類があり、秋の風邪は乾燥によるもの。のどや鼻の乾燥、カラ咳、痰がからむ、皮膚が乾燥してかゆい、便秘といった症状があります。

そこでこの時期に積極的に食べたい食材が「山芋」です。山に自生する自然薯、人工栽培の長芋や大和芋が一般的です。どれも胃腸の調子を整え、気を補って精をつけ、肌を潤します。特に自然薯は薬効が高いです。すりおろすことでネバネバが増し、グロブリンやマンナンなど滋養強壮効果の高いぬめり成分の働きを最大限に引き出すことができます。大量の消化酵素が含まれるので熱に弱く、生のままいただくのがオススメ。だし汁でのばすときもぬるい温度で合わせましょう。胃腸の働きを整え消化を促進したり、下痢を止める効能があります。胃腸が弱く、虚弱体質の人にうってつけの食材です。もちろん体調が悪くなくても滋養強壮に効果的。潤いを与える効能もあります。

先述の通り、この時期は潤いが不足しやすくなりますので、体を潤す食材はたくさん摂ると◎。細胞の活性化にも繋がりますので、潤い効果と併せて美容効果も期待できます。ますます摂り続けたい食材ですよね。

いずれにせよ大量に摂取するのではなく、少量を続ける方が効果的です。体を熱くも冷やしもしないので毎日摂取しても良い食材なのです。スーパーで手軽に手に入る長芋は、千切りや粗おろしにしてサラダ感覚で摂り入れましょう。めんつゆと合わせてそうめんのつゆにするのもオススメです。自然薯が手に入ったときはおろして麦とろごはんにしたり、マグロの山かけにしましょう。手がかゆくなってしまう人は、おろす前に手にお酢をつけておくと予防できます。万が一かゆくなってしまったら酢水で洗うと良くなります。滋養強壮と潤い補給に効果的なやまいも、ぜひこの季節に食べてみてはいかがでしょうか。

長芋を使ったレシピ

・長芋の梅ドレッシングかけ

長芋の梅ドレッシングかけ

<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>

参考 「二十四節気に合わせ心と体を美しく整える」 村上百代

「からだに効く和の薬膳便利帳」武 鈴子

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