二十四節気に合わせて心と体を整える“小雪”

二十四節気(にじゅうしせっき)を意識しながら、自分の内側に耳を傾け、自然の流れに沿った食事を通して、健やかで彩り豊かな毎日をおくる。第38回は「小雪(しょうせつ)」です。

11月22日~12月6日頃を指す小雪は、いよいよ本格的な寒さを迎える時期となりますが、小春日和と呼ばれるような太陽の暖かさを感じる日もあり、洋服の調整が悩ましい季節でもあります。食の世界では冬の食材が揃い始め、いかにも冬らしいメニューを目にする機会が増えてきます。

今回は筆者の大好物「金目鯛」について書きます。金目鯛は「鯛」という名前がついていながら「マダイ」や「クロダイ」のような鯛の仲間ではありません。なんと深海魚なのです。金目鯛は深海魚であるため、1年中脂がのっていますが、冬が旬とされています。産地は主に千葉県の銚子や勝浦、静岡県の稲取や伊豆七島など。特に下田では名産品として知られ、水揚げ量は全国1位。産地では金目鯛を刺身で食べられます。淡白な白身魚ですので煮付け料理が一般的ですが、刺身も絶品です。

金目鯛の栄養は良質なたんぱく質と脂質。マグネシウムとビタミンAも多く含まれます。赤色の成分は、鮭でお馴染みの強い抗酸化作用が期待できるアスタキサンチンです。積極的に摂りたい脂質である多価不飽和脂肪酸(DHA・EPA)ももちろん含まれます。金目鯛は姿煮にすることも多く、アラ煮やかぶと煮にもおすすめ。目玉やアラの部分に含まれているコラーゲンも摂取することができます。これらの栄養素から、高血圧の予防と改善・骨粗鬆症の予防といった健康面を気にする人からキレイな肌を目指す美意識の高い人たちまで、食べていただきたい食材と言えます。

次は魚の煮付けが上手にできるポイントです。まずは、鮮度の良い金目鯛を購入すること。鮮度の具合は目玉とヒレを見ればわかります。そして、内臓とうろこを全部取り除いて水道水で洗い流します。うろこには海の微生物が付いていることもありますので、食中毒防止のためにしっかり取り除いて水道水でよく洗うことが必要です。洗い終わったら80℃くらいの湯を満遍なくかけ(霜降りと言います)臭みをとっていきましょう。

臭みが取れたら広くて浅い鍋またはフライパンにたっぷりの酒、醤油とみりん、生姜を沸騰させます。煮汁が沸騰したら魚を入れて落し蓋をして煮ます。強火だと身がボロボロになってしまいますし、弱火では長い時間煮ることになりパサつきの原因になりますので、落し蓋の中で煮汁が躍る程度の火加減にしましょう。ここで注意したいのが蓋はしないこと。蓋をすると魚の臭いにおいがこもり抜けないからです。魚に火が通ったら皿に出し、煮汁を程良く煮詰めて魚にかけます。金目鯛は赤い色と白身の色が美しい魚なので、あまり醤油の色が濃くならないように煮あげるのがコツです。

これから旬を迎える金目鯛。少しお値段は張りますが、お味は抜群。美味しそうな金目鯛を見つけたら煮付けてみましょう。

金目鯛の煮付け

金目鯛の煮付け

<レシピの詳細は画像をタップしてください↑↑↑>

参考  「二十四節気に合わせ心と体を整える」村上百代 ダイヤモンド社

「2018食べ物の情報~マメ知識」WEB

タグ

    オススメコラム・特集

    このコラムに関連するコラム