2019.11.13UP
料理の幅を広げる、調味料のこと ~醤油~
毎日の料理に欠かせない調味料の一つ「醤油」。
塩のように鋭い味ではなく、まろやかな風味とうまみが特徴の、日本を代表する調味料として知られています。
毎日のように使う定番の調味料ではありますが、その役割や種類など、意外と知らないことも。そんな「醤油」について書きたいと思います。
醤油の役割
醤油の役割としてまず挙げられるのは味付け。そして香りづけをしたり、おいしそうな色付けをしたりする働きがあります。そのほかにも、肉や魚の臭みを消してくれる消臭効果もあります。
醤油の種類
一口に「醤油」と言っても、売り場を見てみるとさまざまな種類がありますね。
JAS(日本農林規格)の分類上は、醤油は以下の5つに分類されます
・濃口醤油
・薄口醤油
・たまり醤油
・再仕込み醤油
・白醤油
濃口醤油と薄口醤油の違いとは?
5種類に分けられる醤油の中でも特にご家庭でよく使われている「濃口醤油」と「薄口醤油」についてご紹介したいと思います。
一般的に、レシピに『醤油』と書かれている場合は「濃口醤油」のことを指します。
濃口醤油は言わずもがな、大豆から作られている発酵調味料。
大豆だけでなく、小麦も原料として使用されているのが一般的です。
濃口醤油の次に多く使用されている薄口醤油は、さらにお米も入っています。
このように醤油の種類によって原材料が異なるわけですが、それ以外にはどのような点が違うのでしょうか。
ひとつは発酵・熟成期間の違い。濃口醤油が発酵・熟成に1~3年かかるのに対して、薄口醤油は6~8か月ほど。この期間の差が色の違いに現れます。
もうひとつの違いは、塩分濃度。濃口醤油は15~16%なのに対して、薄口醤油は18~19%。色が薄いから減塩しているような気分になるときもありますが、実は逆なのです。
醤油の使い分け
薄口醤油と濃口醤油の使い分けはどうでしょうか。熟成期間の長い濃口醤油の方がうまみ成分が多く含まれています。ではどんな時もうまみ成分が多い濃口醤油の方がおいしいのかというと、それはまた違うのが面白いところ。
薄口醤油は色だけでなくうまみも弱い。それはすなわち、食材の色や風味を生かすことができるということを意味しています。食材からのうまみがたっぷりと出ている料理に薄口醤油を使うと、素材の味を生かした上品な味に仕上がります。食材からうまみが出ているので使用する醤油の量は控えめでも大丈夫。塩分濃度が高めでも、上手に使えば塩分過多になることもありません。
逆に、料理にコクを出したいときは濃口醤油の方がおすすめです。
普段の食卓で何気なく使っている醤油も、その種類や特性を理解した上で使うと、毎日の料理がもっと楽しくなりますよ。
出典:
ヒガシマル醤油HP
http://www.higashimaru.co.jp/enjoy/magic/magic01.html
一般財団法人日本醤油技術センターHP
https://www.soysauce.or.jp/gijutsu/jas/top.html
柴田書店 刺身と醤油の本