塩麴

塩麴と聞いて「昔、流行ったよね」という人、「ずっと使っている定番の調味料よ」という人と二極化すると思うのですが、皆さまはどうでしょうか。

前者の方、もったいないです!!塩麴は発酵食品で、汎用性が高く、美味しい調味料。化学調味料でも〇〇エキスでもないのです。天然のうまみ溢れる万能調味料で、しかも簡単に手作りできるのをご存知でしょうか?今回は塩麴の魅力にせまりたいと思います。

 まず塩麴は何からできているかというと、“塩・米麹・水”の3つです。“こうじ”とは、蒸した穀類や豆類に「こうじ菌(コウジカビ)」と呼ばれる微生物を繁殖させたもの。日本人は、古くからこうじ菌という食用のカビを味方につけ、醤油・味噌・みりん・酒・漬物など多くの食べ物を生み出してきました。

こうじには、食品の保存性を高め、食品のうまみを増す効果があります。中でも注目すべき点が、消化酵素を出して食材を変える働きがあるということ。こうじは、自らが生きるために消化酵素を出して成分を分解しながら生きているのです。でんぷんを糖に分解して甘味を出したり、たんぱく質をアミノ酸に分解してうまみを出したり、脂肪を脂肪酸とグリセリンに分解して脂っこさを無くしあっさりさせます。これら酵素の働きで、野菜を塩麴に漬けるとただの塩漬けよりも味の浸透が良くなり、「甘さ」「うま味」が加わりさらに美味しくなります。また、肉や魚を漬けておくと、酵素の力で柔らかくなり、同時にうまみも増すのです。

 そんなこうじパワーは、身体への効果効能も大きく期待できます。代表的な効果でいえば(1)腸内環境の改善(2)疲労回復効果(3)免疫力アップ(4)動脈硬化の予防(5)美肌効果です。発酵食品ですので、酵素の効果を直接取り入れたいのなら加熱は厳禁。70℃以上で酵素のパワーは失活してしまうので注意してください。

生食にするなら、野菜を漬物にしたり塩麴でドレッシングやタレを作るのがおすすめ。また、バナナベースのスムージーやフルーツヨーグルトに少し加えると、とても美味しくいただけます。たんぱく質・食物繊維・こうじ菌のスペシャルトリオで、エナジードリンクにだって負けない効果が期待できるんです!

塩麹は、加熱をしては意味がないということではありません。先述の通り食材を格段に美味しくする効果は漬け込み時点で発揮されていますし、発酵食品ならではの発酵臭やうまみは、やはり発酵食品ならではです。

一般に市販されている塩麴は加熱処理されているものが多いようです。酵素のパワーを生かしたいのであれば、生タイプを探すか、または手作りにチャレンジしてみてください。塩分濃度さえ守れば失敗も少ないですし、何よりとーーっても美味しいですよ。


参考:「NHKテキスト」WEB
   

(オフィシャルメンバー:滝野香織)

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